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108話 ページ8

os「ほら、早く選ぶめぅ」
「え」

背中を押され、目を開けるとレディース用の服がずらりと並んでいる光景に戸惑う。先程となんも変わらないのに目的が私になった途端、冷たい城壁のように見えて恐ろしい気持ちが湧いてきた。

「…」

1番安いものを探そう。それなら目的は達成するし被害も少ない。

「あ、ならこれで」
os「値段しか見てないし、サイズあっとらん。あとダサい。却下」
「ひぇ、…でも、」
os「でもじゃないねん。…そんなに俺らを薄情だっていいたいん?」
「そういう訳じゃないです。ただ個人の利益より」os「…」
「ッ、…」

いいかえそうした時、目に映った彼の顔はとても悲しそうだった。なんでそんなに悲しい顔をするの?…なにか悪いことをしてしまったのだろう。なら、私は彼が望む行為をするべきだ。

口を閉じて、改めて並ばれている価値の塊を観察する。

好きな服、とか何年ぶりなんだろう。

os「……」

やはり、そうなんやな。Aは今までそういう娯楽に触れてこなかった。だから楽しい、という感情で動くことを忘れている。…俺が新しく教えてやらな

「……」

ふと、目に映ったのは…飾り気は無いが深緑のシンプルなワンピースだった。…少しタイトな7分袖じゃなければ好きだったかもしれない。ただ、これじゃ傷が見えるから長袖にしないと

os「なら、A。」
「へ」
os「このワンピースの上から……この白いカーディガンを羽織れば傷は見えへんよ」

鏡越しに私の体に合わせられたコーディネート。…たしかに厚手のカーディガンなら傷も隠れる。
os「A、これならいいんちゃう?」
「ですが、高いので。やめとos「いいの」

os「人間は、欲しいから買う。そういう行為も必要。」
os「破産しない限り、そういう買い物はしていいねん」
os「なら、これ買うわ。靴は?」
「靴は今はいてるのが」
os「それなん年目?」
「……4、5年?」
os「信じられへん」

os「なら、これでええわ。靴のセンスは信用ならんもん」

「あの、ちょっと」

os「…」

彼は、そのまま無言でレジの方に行かれた。…なんで態々私に買ったんだろう。私は所詮おまけなんだから別に買わなくてもいいじゃないか。そんな…大事に扱われなくても生きていける

os「…はぁ、全然わかっとらんな。」

Aの過去はショッピくんに聞いても「【人に教えないやつ】に教える情報なんてない」って蹴られたしな

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作品ジャンル:恋愛
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烏丸 - 夢主の過去が……自分で自分を洗脳してたんですね……聖女ちゃんもハッピーエンドになるといいな… (11月4日 18時) (レス) id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 樹乃さん» 次の4章からヤンデレも注意書きに含めようと思います😊 (11月3日 17時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - Rさん» ありがとうございます!なるべく其方に向けたいですねー…(   ᷇ᵕ ᷆  ) (11月3日 17時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - りすさん» ありがとうございます!そうなんです、悪女ちゃんは性格は悪すぎる訳では無いんです…!気づいていただいてとても嬉しいです😭 (11月3日 17時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - やべっ、rbrさんも段々ヤンデレっぽくなってきた(大歓喜)!!! (11月3日 6時) (レス) @page44 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619  
作成日時:2023年10月22日 9時

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