たとえ聖女じゃなくても3【d!】

149話 ページ49

tn「…」
「でも、わざわざこんなリボンを」
tn「いいから。お前が倒れるよりまし」
「…」

倒れてもいいのでは、とは思うが…口が結ばれたようで話せなかった。受け取ってポケットに沈ませた後また仕事を開始する。

そういや、彼の頬もリボンみたいな色だったな

tn「…」

Aが、死にませんように

リボンにそっと願いをかけた。


《２日後》


gr「言ったからな。A、ここから先は入るな一切」
「わかりました」
gr「なら、ひとらん。任せた」
ht「うん、行ってらっしゃい」


「…」

どうやら保護観察という名目でひとらんさんもここに残るらしい。申し訳ないな、と思いながら人工林と自然林の境目を見つめていると彼が近づいてきた。

ht「A、そのリボンなに」
「トントンさんから頂きました。魔力を吸収する…魔具です」
ht「魔力酔いしないの？」
「今の所、してません」
ht「それならよかった」

「…」

確かに、グルッペンさんの選択は正しいな

戦闘系のロボロさんやゾムさん、ショッピさんは戦いに必要だし

チーノさんや鬱さん、エーミールさんは私みたいに飛ばされかねない

側近のトントンさんやオスマンさん、医療のペ神さんに兄さんは必要だし

本当は、【環境を見守る役割の】ひとらんさんも必要だけど…の結果だろう。

…はやく戻ってきたらいいのに

ht「…A、これあげる」
「？」
ht「花。俺が今作った」
「…な、ぜ？」
ht「いいから、早くもらって」
「…ありがとうございます」

その花はとても白く見たことがあった。
何の花か、と尋ねてみたが彼は内緒と言うばかりで何も教えてはくれなかった。…もしかして私、花をあげなきゃと思うほど顔が強ばってた？…なら解さないと

ht「…」

俺の魔法。感情にそった花を生み出す。
あーあ、ほんとこういう性格の俺大嫌い

───

キイチゴ

嫉妬

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