たとえ聖女じゃなくても2【d!】

100話 ページ50

gr「A、今回の遠征お疲れ様だぞ」
「今回の遠征は、グルッペンさんや聖女様のお力で成すことが出来ました。」
「ありがとうございます」
gr「Aがいたからだ」
「グルッペンさんのお力でしょう？」

おちない。部長さんはすぐ自分語りに走って眠ってくれてたのになぁ…

gr「ん、捕まえたぞ」
「…酔っぱらってますね」

この人たちにお酒を飲ませたらいけないんじゃないの？

なんて考えながら彼の頭を撫でていると…その赤い瞳と目が合った。思わず吸い込まれそうな光を放つ目に、視線をズラせず…気づけば頬が痛い。

gr「照れたな。俺の勝ちだ。」
「照れてないです。」
gr「いいや、照れたぞ！」
「照れてない、です」

「そーゆー駆け引きは好きな方となされて下さい」
gr「なら、俺がお前のことを好きだと言ったら、どうする？｣
「は？…」

「…」

gr「よし、今のは照れただろ」
「…ダメですよ。そんなの」

gr「…」

Aは、今どちらの意味で言ったのだろうか。
そんな卑怯な真似をするな、だったらよい。女らしい反応だ。おそらく聖女も同じ反応をするだろう。

…好きになることを、ダメと言っていた場合どうだろうか。後者なら、その思考回路を変えなくてはならない。既に惚れたヤツもいるんだ。今更惚れんな、と言われても無理な話だぞ。

gr「……小さいな、A」
「…嫌味ですか」

グルッペンさんから抱きしめられはや数分。いきなり言われたセリフに怒りマークがひとつ現れる。彼は「可愛いぞ」とだけいってまた抱きしめてしまった。……

gr「…」
「…寝ましたか？」

揺さぶってみるがどうやら、眠ったらしい。よかった、と腕から離れて当たりを見渡す。シャオロンさん達含めて何人かはもう眠っているし、食べ物もほとんど無い。お開きかな、とテーブルの片付けを始めると…兄さんの手が私の持っていた台拭きを取られた。

ni「手伝う」
「大丈夫です、よ？」
ni「Aも、酔っとるやろ。酔っ払い1人に任せれへんから」
os「俺もやるめゥー」
tn「お皿は俺が片付けとくわ、」

「…ありがとうございます」

私酔ってるんだ。全然気づかなかったな。ゴミなどを捨てながらふらついた頭で考えていると、後ろからまた気配。ゾムさんかと振り返れば…あ、

ni「Aを部屋まで連れてくわ」

tn「はーい」
「……」
───

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