たとえ聖女じゃなくても2【d!】

73話 ページ23

【訓練所】

「ここは、？」
kn「訓練所。Aも行くんやったら」
kn「どれくらい動けるんか知りたい」

「…」




「はぁｯ、はぁぁ…ｯ…」

kn「…体力なさすぎやろ」

Aは、…5分の全力疾走でこのザマだ。魔物と対面した時あいつらは20分は追いかけてくる。絶対こいつは食われる。あかん

kn「なら、これ。」
「これ、はぁ？」

触ると…あぁ、ナイフだ。テレビでしか見たとこがなかった本物のナイフだ。…人を殺す用の

kn「直接は無理か。なら、あれに向けて投げてや」

「…分かりました。」

的に向けて狙いを定める。…力の入れ方なんて分からないが、とりあえずぶん回すと…あれ、おかしいな。なぜナイフが後ろに行ってるんだ？？

kn「…運動、してたんか」
「…仕事ではないので」
kn「…今日からするぞ」
「ひ、ひぇ…」

kn「…お前、おもろい顔するやん笑」

初めてみたAの絶望した表情。流石にガチで命削られる感覚は厳しいか。と納得したあと朝はランニング。夜は筋トレ、とメニューを考えていく。ゾムやロボロも手伝ってくれるやろ。ついでに体力ないグルッペンと鬱も鍛えれば効率がいい

「……仕事」
kn「条件忘れたんか。」
「…」
kn「俺らのゆうことは？」
「…聞きます」
kn「んで。拒否権はない」
「…ですよね〜…」

諦めているAの顔も面白い。これなら毎日運動させたろかな。

「…」

死ぬよりも辛い何かが私の首を狙っているのは確かだ。どうやって回避しよう。別に遠征先で死ぬのは構わないんだ。…こんな地獄に振り回されるくらいならいい。

kn「通りで、見た目ガリなんやな」
「…」

なくよ？


【夜】

【チーノの部屋】
ちる「でねー…私、初めての仕事だね」
ci「ですねっ。怖くないん？」
ちる「こ、怖いよ？…でも私が頑張らないと」
ci「んん、偉いなぁ」

ちる「あ、りがとう…」

チーノは、…ずっと私のことを見てくれる。なんでだろう。なんでAちゃんの方に行かないんだろう。…これはきっと私のことが好きだからだよね。絶対だよね。

チーノは私のことを見てくれる。チーノだけは置いてかない

ci「ん？どうしました？」
ちる「きょ、うはここで寝ていい？」

しどろもどろに尋ねると彼は、ポカーンとした後
クスクスと笑って

ci「聖女の頼みなら断れへんなぁ」


Aさんから物理的距離を置くにはお前しか使えへんしな

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