62話 ページ12
「……ん」
目を覚ますと、……医務室のベットの上だった。塩素の匂いはどこにいっても共通らしい。地面におりるとトントンさんが隣のベットで寝ていた。人の寝顔を見る趣味は無いが…、ちらりと覗いた顔にはクマがついていた。きっと寝てないんだろう。…
「…と」
「!…」
zm「かかッ、ほんま固まるんやな」
天井から落ちてきたナイフと、ゾムさん。頬を膨らましていると彼はまた笑い出す。
言うのも諦めて、部屋に戻ろうとすると彼の手が私の腕を掴んでいた。妙に強いものだから、離せず振り返ると
zm「お前のことは、【誰も捨てへんよ】」
「え、なんの…」
「…」
「……忘れてください」
zm「はははッ!!、忘れるわけないやん」
zm「ほら、飯行くで」
「忘れるなら」
zm「どっちも無理やな〜笑」
黒歴史を掘り起こした目の前のクリーパーはどんどん足を進めていく。今度は一言言ってやろう、と思ったが…彼のその笑みを見せられては拳のひとつも上がらなかった。
【食堂】
「これは…」
長いテーブルに飾られているのは、……
スコーンや、クッキー、マフィンなどの気品溢れた洋菓子たちだった。ご丁寧にも紅茶カップも座られていて…お茶会するのかな?
os「A〜、刑期お疲れ様」
ht「ほら。1日ぶりのご飯でしょ」
「…」
zm「まじ、美味そうやな…はよ食べよーや」
「あ、、はい」
席についても私の心は落ち着かない。オスマンさんが全員分の紅茶を注いでいる時に、兄さんとロボロさんもいらっしゃったのでかなりの大人数になった。
os「なら、いただきまーす」
ht「ん、…おいしい」
rbr「A、一日ぶりの飯はどうや」
「…お、いしい、です」
お皿に置かれたスコーンは、かじればバターが迎えてその後、…ナッツの香ばしさが案内してくれる。アクセントにのせられたピスタチオもいい寄り道をさせてくれて、…美味しい。
ni「…」
Aって、美味そうに食うよなぁ…。
目を細めて、大事そうに食う姿は人を和ませる魔法だ。Aも持ってるやん
zm「A、何食いたい?とるで」
os「こら、食害せんよー」
zm「ええからええから」
「スコーン、もう1個食べたいです、」
os「お」
rbr「…」
Aが若干食い気味に発した言葉に気づかれないように目を合わせる。子供のように強請るその姿を見るのは…ほぼ初めてやからな…
ht「マドレーヌとかはいいの?」
「…スコーン、美味しかったので」
ht「…」
恥ずかしそうにしているAが可愛いんだけど
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眼鏡 - 大好きです!(突然の告白)とても面白いです。更新、頑張ってください!応援してます。 (10月17日 9時) (レス) @page43 id: 7037305142 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 今日も更新ありがとうございます!夢主の心の変化が楽しみです。更新無理のない程度に頑張ってください! (10月16日 19時) (レス) @page43 id: e69af3f6e5 (このIDを非表示/違反報告)
でんじゃらす(プロフ) - コメント失礼します!いつも「聖女ちゃんかわいい報われて欲しいな〜」と楽しく読ませて頂いてます!更新頑張ってください! (10月16日 18時) (レス) id: 815ffd723f (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます笑 (10月16日 8時) (レス) @page35 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - キャラが確立されてて面白いです!最近の楽しみです笑 (10月16日 0時) (レス) @page35 id: 29afbe8bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年10月10日 6時