【d!】宝物は飼い主に

42話 ページ42

数時間後

kn「グルッペンは、…遠いやろうから兄さんかひとらんか。」
ut「あー、らんらん〜」

「…」

レガシーがレガシーを探している様子は
慣れると面白い。メモする事も忘れて
見つめていると、鬱が気づいた。

ut「なぁに？そんなに見られたら照れるやん」

「なら見ない」

ut「えぇ、見てや…」

「ならみる」

ut「ん、さすが俺のオーナー」

Aの頭を撫でると、嬉しそうに
目を細めてる。無自覚なんやでこれで
相変わらず、ウチの主人はたらしやわ…

sha「とりあえず、らんらんの方やろ」
sha「兄さんは、もう起きとるし」

「…魔法がないのに、どうして元に戻るの？」

sha「それが俺らの魔法。兄さんとか…トントンとかなら出来るねん。俺出来ひんけど」

「そうなんだ。」

魔法も面白いな。

ひとらんらんを迎えに行くために
方向を開けた丘の方に定める。

そういや、数日だったが施設からどれくらい
離れたんだろう。地図なんてつけてないが
…帰れる？

os「俺らが覚えとるし安心して」

「ありがとう」

心は相変わらず読むんだね。

os「めぅ」


───

花畑


tn「綺麗やな、…」

「…」

花畑。カラフルな花たちが湯船のように
浮かんでいる幻想的な空間。

初めてみた。

初めて見たはずなのに、とても懐かしい。
…これは『Aさん』の気持ちかな。

zm「…はよ、ひとらん探すで」
「あ、うん」

少し機嫌が悪いゾムについていって
ひとらんらんが封印されている『かんざし』
を探す。
花畑の下にあるなら、かなり難しいかも


zm「…」

───

「これ、かな」

花畑の真ん中に、1つのレガシーがいた。
これがかんざしなのだろう。魔法を唱えると

後ろに、白い服を着た男性がたっていた。

ht「…A、話はグルッペンから聞いてるよ」
ht「記憶はなくても、俺は楽しければいいって思ってるから大丈夫」

ht「ひとらんってまた呼んで。よろしくね。」
「よろしくね、ひとらん」

差し出された手を繋ぐと、ふんわりと
甘くなった。

zm「あ、ｯ…」


───

tn「すげーね。この広さで見つけるとか」

ht「運命」
tn「はいはい」

ひとらんと、Aと合流した。
オスマンは待っている間に花冠を
作り、今それをAに被せとる。

シャオロンや鬱たちもなんとか作ろうと
…花たちをどんどんちぎっては偉い有様に
していく。

…あれ、

ゾム？

tn「A、ゾムは？」

「……」

え

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