【d!】宝物は飼い主に

40話 ページ40

夜

os「A、何してるん。早く部屋戻るで」

Aは、少し待って欲しい。と俺を制して
その場に立ち続けていた。

寒くなるし、魔物も来るから早くして欲しいーめぅ

os「…何してるん？」

「……星」

os「星？…あぁ、綺麗やね」

やけど見とれる程ではなく
いつもの星だった。
ただの夜空に何故そこまで惹かれるのか

「…施設では、あまり見てなかったから」

os「……なぁ、A。」

「？」

os「…君と、施設長って仲良かったん？」

気になっていた質問をぶつける。
Aは今世ではあくまで下級の探掘者。
なのに、そこまで肩入れするって…

「…施設長は、いい人だよ。私のために」

「完全食の作り方、教えてくれたり魔物の倒し方押してくれた」

「ムノウなのに、『レガシーのこととか、探掘のこと教えてくれた』」

os「…Aは、ほかの人と学ばなかったん？」

「うん。ムノウだから、施設長に直接教えてもらった」

os「…」

空が曇り始める。寒くなってきたから、
半ば強制的にAを部屋に戻したあと
足が動かなくなった。

os「…なぁ、グルッペン」

os「…施設長サン、勘づいとるやろ」

Aが、生まれ変わりってこと。

やから、

『ただしい知識』教えなかったんちゃうか

os「あいつレガシーを人だって知らんかったやん。」

os「施設長サン、Aに生まれ変わりって気づかせないために敢えてそう教えたんちゃうか」

os「…記憶取り戻したAが復讐しないように」

gr「…恐らくな」

os「…施設に戻してええんか」

os「綺麗に殺してくれるかわからんで」

gr「…Aは、あいつを信じきっている」

gr「今更否定するのは、厳しい」

gr「それに、…俺も施設にアイサツしたいしな」

os「……なるほどね」

俺の頭の中でニヤリと笑うグルッペン。なんや

お前、Aを殺させる気ないな。

───

ci「これなーんや」

「……？」

ci「正解は、飴でした〜。」

「飴……」

ci「舐めてみ」

「え。あ、いただきます」

1口舐めると、砂糖の甘さが広がった。
こんなに甘いのがあるんだ…、

クルクル巻かれたカラフルな飴を見つめていると
チーノが笑った。首を傾げると

ci「いや、なんでもあらへん笑、」

「…単純だなって思ってる？」

ci「なんでわかったん…」

「…」

ci「ごめんて」

41話→←39話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す