【d!】宝物は飼い主に

39話 ページ39

現実世界

「…」

私の移動方法は、彼らの背中しかないのか
今日は人間の姿のシャオロンにおんぶ

…胸が圧迫するから少し苦しい

「…ねぇ、シャオロン」
sha「…お、おん。何？」

「魔女って、沢山いたんでしょ」
sha「うん」

「なんでAさんのレガシー以外見つからないの？」

疑問だった。沢山魔女がいたなら彼女以外の
レガシーもあっていいと。

同じように人と暮らして死ぬ間際に
レガシーにする人も居るんじゃない？

シャオロンは、うーんと苦い顔をして
私と目を合わせる。太陽のような黄色い瞳

sha「Aが俺らを起こすときの呪文あるやん」
sha「あれ、俺らしか効かない」

「…なるほど」

kn「せや。あと、レガシーはそんなにおらへん」
「…？」

kn「そもそも、人間と連む魔女少数派やし」

kn「Aみたいに俺らを優先させたヤツはレア」
kn「仮にレガシーになれたとして、中の奴が死んだらただの無機物に戻るからな」

「死ぬの？中の人」
kn「魔力が弱ければ」

「…そっか。コネシマ達は強かったから死ななかったんだ」
kn「…おん」

何となくわかった気がする。お礼を彼らに
言うと見えない耳がぴょこぴょこ動いてた

「…」

───
数時間後

「あ、魔物」

点のように見えるが、立派な魔物が私たちを
見据えていた。これから突進して食べるつもりかな

傷を作っちゃいけないので、どうやって
戦おうか…と考えていると

zm「ちょい待っててや」

「危ない」

zm「俺強い」

「…」

私たちの前に立ったゾムは、次の瞬きの前には
魔物の前に飛んで金属の…ナイフで首をかっさらった。

次の瞬きで、満面の笑みのゾムと左手で掴まれた
魔物の首が映る。

tn「ばっちぃ。捨てて」
zm「A、見て。やっぱ俺強いやろ」

「…」

子供のように、言葉をまつゾム。もしかして

シャオロンから降りてゾムの所にあるく。
背を伸ばして彼の頭を撫でて

「強いね、ありがとう」

zm「…えへへ、」

「…」

これがAさんなんだろうな。

zm「ほ、ほかの奴おったら俺、倒すわ」
tn「はいはい」

「…」

syp「…Aさん…」

彼女は、オスマンさんの敬語の後から
『Aさん』として振舞ってるように見える。

嫌だ。
俺だけ、独りやん。
やだ、
Aさんも、こっちの人でおって

おれだけ、置いてかんといて

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