【d!】宝物は飼い主に

14話※ ページ14

穴の空いた大樹

「ここ、が…」

教科書で見たことない大きな木だった。
施設1個分入りそうな直径に唖然とする

sha「とりあえず行くか」

皆で向かった瞬間、その辺の根っこが折れていく音が雷鳴の如く木霊しあう

地響きのような音

振り返ったら、真っ黒で5mはある

バケモノがいた。

オオカミの形を模した煙を出すバケモノ

あかん奴やあれ

tn「ちょ、オスマン？！」

zm「えぇ、どうやって倒すんやっけ…」
sha「ちょ、回復したばかり」

一瞬の戸惑いを【野生のバケモノ】は逃がさない。

4本足を使って一直線に向かってくる。

とりあえず、Aを、

kn「A！」

「逃げてください！はやく！あの穴の中に！」

syp「なにして、ｯ？！」


Aサンは、俺を地面に下ろすとバケモノに向かって走っていった。

魔法がないAさんの特攻なんて餌にしかならないのに

つかもうとした彼女の手には錆び付いたナイフ。

なんや、あれ

なにするん


「いｯ、！」

syp「ひｯ…」


全てがスローモーション

Aサンが袖をまくり傷だらけの腕に

ナイフをそわせ、思いっきり引いた。

溢れてくる赤血球がバケモノの気を引きつける。

バケモノは、俺らを見ず狂ったように地面に着いた血を舐めとるのに必死だった

その隙にAさんが、走って穴の方を指さす。

ut「…なるほど」

あれがAのやり方なんやな


シャオロンがAを担いで、穴の方へ走っていく。

バケモノが正気に戻る頃には俺らは安全な
オスマンの安置で息を吐いていた。

tn「な、なに、してるん…なんでこんな」
「？これが、ムノウなりの戦い方です」
「逃げ方、の方があってるかな」

tn「いや、あかん。とりあえず、コネシマ、オスマンごと部屋つくれ、」

過呼吸のトントンの命令にコネシマが頷く。
広いリビングに人間7人と、ガラスの容器ひとつが入った。

tn「なんでこんな、…」
「…」

zm「あかん。二度とすんな」
ut「Aー、女の子やろ？もう少し大事にしい？」

kn「血を出したら、Aの体力落ちる。効率悪いからやめてくれ」
syp「…」

「…」

なんで私怒られるんだろう。

これしかムノウは戦えないんだよ

ムノウだから

なのに、なんで私が血を出したぐらいで

この人たち泣いてるの？

変なの

tn「これ、これでええか…薬とかないねん、すまん」
「いえ、…」

包帯だけで十分なのに

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