【d!】古参メイドは疲れきった

12話 ページ12

sha「…まぁ、これならええわ」
sha「A、こっち向いて」
「？…」
rbr「はぁ？…まぁ、ええわ」

頭はシャオロン様に抱き寄せられ
手はロボロ様の手と繋がっている

これじゃ、どこにも行けないな

彼らが寝るまでは起きとこうと目を開けていたが
不意に襲ってきたなでなでや
淡いキスの嵐に
再び眠気が襲ってくる
「…」

sha「Aー、寝てええよ？」
rbr「おやすみ、A」

「メイド、たるもの…幹部様より…」

sha「…寝たな」
rbr「可愛ええ」

sha「…ストーカーはまだ治らんの？」
rbr「治す気ないねん」
sha「…そ」

彼女の手を撫で続けるロボロは
はたから見たらただのストーカー

気持ち悪いなぁ、なんて吐きながらも
自分も彼女を抱き寄せ撫でていることに
気づき何も言えなくなる

rbr「…Aも、そろそろ俺らに撫でてくれたらええのに」
sha「前総統いわく」
sha「最初から最後まで懐いてくれなかったって」
sha「んで、総統が辞める際にも」
sha「一言も、寂しいとか言わんかったらしいで」
rbr「寂しいもんやな」
sha「まぁ？俺らには懐くやろ…」

rbr「…グルッぺんが幹部の時の印象とか聞こうかな」
sha「おもろそ。俺もする」
rbr「ええよ」

男女男の空間
何も起こらないはずないのに
空気は暖かいままで
2人の幹部が1人のメイドを愛でていた


【？？】

？「ほんと、おばさんって役立たずだよね」
？「給料泥棒はやめて欲しいー」

「……」

慣れてる、この人たちにこう言われるのは
慣れてるから無視して掃除をする

？「おい、A」
「ｯ、あ、」

？「お前は、今日でクビだ」
？「二度と顔を俺らに見せるな」
「ｯ、やだ、私、なんでもします、…」
「言われたこと、しますから、…」
？「出ていけ」
「きゃっ、ｯ！」

押し倒され、どこかに閉じ込められる
そうだ、最後に掃除くらいは
そうじくらいはかんぺきにしないと

「…あれ、…」


わたし、なにをそうじしてたんだっけ

「…」

恐る恐る横を振り向く
箒とチリトリの下にいたのは

目を見開いている
血だらけの自分
ハエだらけで
所々黒い

「ｯ、やだ、やめ、こないで」

それが私を目掛けて走ってくる
逃げようにも足が重たくて
怖くて逃げれない
そのまま首に手を回され
力を込められる

苦しい、苦しい、

気づいたら当たりは水が溜まっていて
呼吸できるのもあとわずか

「やだ、おねがい、やめ、」


「ｯ、…」

しね、なんて
私が私に言ってるから
あなたまで、言わないで…

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