本当のこと言わないと出られない部屋☆【ut】 ページ12
ドアを開けるとまた煙が充満していて
コネシマさんかと思ったら
濃い、女の人の香水の匂いがした
多分ここに居るのは鬱先生なんだろうな
そう思いながら足を進めると予想は当たっていて
彼が煙草を吸いながらへたりと壁にもたれてながら
座っていた
ut「ん、A」
ut「Aって何部屋目？」
「覚えてないです。…恐らく7部屋ぐらいだと思います」
ut「結構行っとるやん」
ut「な、これお題」
「…」
4つ折りになった紙をひらくと
【本当のことを言わないと出られない部屋】と
書かれていた
「…質問して本当のことを言えば出れそうですね」
ut「……」
「鬱先生？」
彼は、どことなく不安げな顔で
じっっとこちらを見ていた
吸っていたはずの煙草の火は消えていて床に放り投げられている
ut「せやな。なら俺聞くから答えてな」
スイッチが入ったかのように話す彼
不安は伝染して
私自身も少し不安になった
「えっと、…その答えやすいのでお願いします」
ut「知っとる」
ut「イエスかノーの質問やから」
「それなら、良かった…」
安心してるのも束の間
1番、聞かれたくない質問が
彼から問われるとは思ってもいなかった
ut「Aって、手首とか切っとる？」
「……」
肩が上がる
鬱先生の口調も言い当てるようなもので
知っとるんやぞ、と何処からか聞こえたようような気がした
ut「な、答えてや」
ut「いえす？のー？」
わざとらしい催促に少し血の熱が上がる
嘘を答えても開く
それを信じてやってみる
「してません」
ドアは開かない
音は聞こえない
ダメなのか
ut「…嘘やんな」
ut「な、ホントのこと言ってや」
「…してます」
今までの部屋の中で1番このお題が
嫌いかもしれない
そう思いながら、答えると
彼は、溜息をついて
ut「知ってたんやけどね」
と、返した
知ってたんだったら聞かんでよ…
ｶﾞﾁｬｯ
ドアが開いた
ドアに行こうとすると彼は
私の手首を掴んだ
「離してください」
怒りを含んだ声で頼む
正直デリカシーが無さすぎて
嫌いになりそう
ut「…何でしてんの？」
彼の顔を見上げると
彼の死んだ目には
薄く水の膜が張っていた
「…別に」
ut「なんで、してんの？」
ut「何があったん？」
「……」
聞かれたくない
ただ、手首に力を込めても
いつもは、ひ弱と罵られている
彼からは
離れることが出来なかった
_______________
おお、
病み出してきたぞ？？
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匿名A - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年4月20日 9時) (
レス) id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ユウさん» 重いの大好きなんです…！ありがとうございます！ (2022年5月30日 15時) (レス) id: 2333384c06 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 重い、、、‼最高ずきる！！！ (2022年5月30日 7時) (レス) @page19 id: 65a9cf3278 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 若草翠さん» 重いのが好きなんだよおぉ！！いやん！照れるぅ！( ﾉωﾉ) (2022年5月1日 14時) (レス) id: 2333384c06 (このIDを非表示/違反報告)
若草翠 - 重､､､､!!!最高かよ!!この神作者あああ!!! (2022年5月1日 11時) (レス) id: 4cbe8909de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2022年3月31日 12時
