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病院では岡本の赤ちゃんが無事だったことと知念がこれから運ばれて来る事で山田の病院はてんやわんやしていた。
「なんで圭人来ないの?」
「仕方ないよ生まれちゃったんだから。生んだ後は一般病棟。」
有岡は山田にそう言うが山田は痛みのせいで少しイライラしていた。
「ヤマ頑張ってる?」
中島と高木が病室へ来た。
「大ちゃんゆーてぃーと変わって。大ちゃん腰摩るの下手くそ。」
そう言われ中島が山田の腰を摩る。
「さすが経験者。力加減わかってる。大ちゃんはもういいから座ってて。」
門前払い状態の有岡。
「あっっ。痛いっ。ふぅーふぅ。」
山田は上手に呼吸し痛みを逃した。
「ヤマ大丈夫?痛いよね。オレも相当痛かったから分かる。」
「それにしても山田冷静だよね。そんなに痛くないんじゃない?」
有岡がそう言うと山田はすかさず
「うっせーバーカ。マジ痛いんだけど。」
見た目とは裏腹に結構辛そうな山田。
「山田さん大丈夫ですか?」
看護師が山田の様子を見に来た。
お腹に付けられたら機械のモニターを見ながら
「かなり痛いでしょ?大丈夫?ムリしてない?」
と声をかけた。
「大丈夫です。痛いのなんて当たり前なんで。」
それから子宮口の開きと内診をするからと全員廊下に出された。
「山田さん。子宮口は5cm開いてるけど赤ちゃんの位置がまだ高いんで時間かかかるかもね。」
「マジですか?結構辛いんですけど。」
「痛くなってから12時間?」
「それくらいですね。」
「あまり赤ちゃんが下りない様なら辛いけど院内歩いたりスクワットするといいわよ。」
山田はゾッとした。
こんななに痛いのにスクワットをすることに。
でも早く生みたい山田はみんなで産科病棟を廻ることにした。
「あっっ来る。痛い痛い。」
度々来る陣痛でなかなか1周できなかった。
「山田。」
有岡が腰を摩ろうとしたが
「いい。裕翔。腰摩って。」
とお願いした。
それを傍から見ていた高木と薮は笑っていた。
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きき - 完結おめでとうございます(*^▽^*)今まで楽しんで読ませていただきました!新作も是非読まさせていただきますので頑張ってください(*^▽^*) (2017年12月13日 9時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉 | 作成日時:2017年11月10日 18時