Day 18 ページ18
「あのさー、」
と『はい…』
「あのね、何回言えばわかる?汗かいたままクーラーガンガンのとこには言っちゃダメなの」
と『あい……』
段々電話の向こうで声がガラガラになっていってる気がする。
打ち合わせが終わって帰宅して、テレビを見ていたらいきなり電話が鳴った。
相手はいつも通りとしみつで、一応寝る前は少し電話しているからそんなノリで電話に出たら見事に体調が悪そうだった。
なんでも、撮影で汗をかきまくったまま冷えてるところに行ったらしい。
バカか、と思いながら『こういう時ってどうするんだっけ』とガラガラな声で尋ねてくる。
「んもう、それくらい分かるでしょ。私がいない時どうしてたの」
と『一人で寝てた』
「じゃあそうすればいいじゃん。とりあえず明日は病院行くんだよ、撮影は?」
と『一応ない』
「ならよし。ちゃんと休むんだよ」
と『待って、来てくれんの?』
「えぇ?何が?」
と『仕事あるの?』
「あるけど、4時には終わるかな」
と『……はい』
「じゃあね、おやすみ」
そのままスマホをベッドに投げると、明日少しお見舞いでも行こうかなと考えた。
、 、 、 、 、、
インターホンを鳴らすと、しばらくしてドアが開いた。
と『本当に来てくれた』
マスクをしている彼はいつもより元気はないしダルそうだった。
それでも嬉しそうに微笑むとまたベッドに戻っていった。
「どうだったの、病院」
と「普通に風邪だって。薬もらってきた」
「ご飯食べた?」
と「いや、朝も食べてないし昼もあんま」
「もう、なにやってんの」
本当に自分のこと考えてない、と思いながらキッチンに向かった。
、、 、 、 、 、
完成したお粥を持ってもう一度寝室に戻るととしみつはベッドの端に座っていた。
「食べれる?」
と「…作ってくれたん?」
「うん」
と「ありがと」
「治ったら出かけようね」
と「おう」
「どこ行きたい?」
と「えー、シンプルに家がいい」
「何それ、有名人だからってこの〜」
笑いながら膝を叩くととしみつは無邪気に笑いながら、いいじゃんといった。
「んー、じゃあ映画見よっか」
と「家で?」
「うん、私もまったりしたい」
と「映画かぁ、ちゃんと部屋暗くしてみよう」
「あーいいね」
と「そんで泊まってって」
「治ったらね」
と「よっしゃ」
たくさん予定を立てたらこんなにも嬉しくなるのは何故だろう
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りんごじゅーす。(プロフ) - amichinさん» 失礼しました(汗)教えていただき、ありがとうございます! (2019年6月29日 23時) (レス) id: 978193e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
amichin(プロフ) - 半ば強引ははんばではなく、なかばと読みますよ! (2019年6月28日 3時) (レス) id: f6d131a32e (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - とても面白い作品ですね!(*^^*)更新楽しみにしてます! (2019年6月14日 22時) (レス) id: 41e7cff00a (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - はじめまして!楽しく読ませていただいています(^_^)!細かいかもしれないですが、19歳で大学院に通っているというのは年齢的に合わないかなと思います、そこが気になってしまいましたがお話はすごく面白くてこれからの展開が楽しみです!…細かくてすみません (2019年5月23日 12時) (レス) id: b56ed7d6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごじゅーす。 | 作成日時:2019年5月18日 20時