Day 14 ページ14
「これ、くれるの？」
と「おう」
「でも、みんなお金出して買ってるんだよ？私だけ悪いって」
と「だめ、帰って聞いてみて。Aには聞いて欲しかったから」
そっか、と言ってありがたく受け取ることにした。
「…すごい人気だね、びっくりしちゃった」
と「まぁ、少しずつ成長できたのかな」
「うん、思うよ。私には程遠い存在すぎて眩しかった」
昔は近かったのに、そう小声で呟くと、彼にも聞こえたのか顔をこちらに向けた。
と「ごめん、俺がもっとAとの時間大切にしてれば良かったんだよな」
「違うよ、私が勝手に言ったことだし。」
と「もう、遅い？」
「どういうこと？」
と「……いや、なんでもない」
「無理に嫌いになる辛さ、わかる？」
と「え？」
「まるで地獄みたいだった」
好きなのに相手と自分のことを深く考えすぎて下した決断。
言ったはいいもののその後が大変で、一日がとても長く感じた。
「もっと愛したかったし、愛されたかった」
と「A…」
「としみつの全部が好きだったから、全部辛かったよ。今も、なんでここまできて再会しちゃったんだろうって思ってる」
と「ごめん、」
「謝らないでよ、好きなんだから」
酔ってるわけではないのにずっと胸にし舞い込んでいた言葉がどんどん吐かれていく。
それに、涙もとめどなく流れてくる。
「…もう、会いたくない」
と「ちょ、っ、」
感情が抑えきれなくなって、私はとしみつの前から逃げた。
、 、 、 、 、 、
と「待てって、」
急いで支払いを済ませて、外まで飛び出して行ったAを慌てて追いかけた。
半ば強引に車の助手席に乗せるとAは大人しくなった。
と「あの、さ」
「…なに」
乾いた涙がまだ頬に残されたままAは俺の方を見た。
身長は少ししか変わらないのに、やっぱり俺の方が数センチ高くてちょっとした上目遣いが可愛くてたまらなかった。
と「好きって言ったら困る？」
「困る」
と「即決……」
「それに、今好きな人がいる」
と「えっ、？」
「でも、その人には彼女がいる」
きっとがAが言っていた『そういう関係の人』のことだろう。
うっすら見えるAの首筋にある赤い印をチラ見した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 374人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんごじゅーす。(プロフ) - amichinさん» 失礼しました(汗)教えていただき、ありがとうございます！ (2019年6月29日 23時) (
レス) id: 978193e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
amichin(プロフ) - 半ば強引ははんばではなく、なかばと読みますよ！ (2019年6月28日 3時) (レス) id: f6d131a32e (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - とても面白い作品ですね！(*^^*)更新楽しみにしてます！ (2019年6月14日 22時) (レス) id: 41e7cff00a (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - はじめまして！楽しく読ませていただいています（＾_＾）！細かいかもしれないですが、19歳で大学院に通っているというのは年齢的に合わないかなと思います、そこが気になってしまいましたがお話はすごく面白くてこれからの展開が楽しみです！…細かくてすみません (2019年5月23日 12時) (レス) id: b56ed7d6b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごじゅーす。 | 作成日時：2019年5月18日 20時
