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疲れてないと言ったら嘘になる。
慣れない東京での生活。
岡崎と違って朝から夜まで騒がしい。
そして俺も朝から夜まで忙しい。
何もない日と1日びっしりスケジュールが埋まった日を交互に生活するのにも慣れてしまった。
今日も起きてからやることはなくて一人で買い物にでも行こうと思ったけど真昼間の東京なんてリスナーがうじゃうじゃいるに決まってる。
今日は大人しく動画の編集をして、個チャンで撮ろうと思ってた動画を撮って夜になった。
さすがにこの時間は人は少ないし、下町の方に行って居酒屋で一人で飲むのもたまには悪くないだろう。
思い立ってからすぐ行動するのも、らしくないけどたまにはよしとしよう。
、 、 、 、 、、 、
と「生ビール、ひとつ」
ゆめまるが好きそうな居酒屋を見つけて一人カウンター席に座った。
周りのテーブル席には仕事帰りのサラリーマンがたくさんいた。
そして俺が座っているカウンター席の横には仕事帰りなのか、スーツを着こなした女性が1人で飲んでいた。
手元のビールをちょびちょび飲みながら真剣そうな顔で資料のようなものに目を通していた。
きっと彼女は仕事熱心だ。
横目でチラチラ見ていると、彼女の手元から1枚のプリントが落ちた。
その紙は俺の座っているとこのすぐ下に滑り落ちた。
あっ、と小さな声が聞こえ彼女が拾うよりも先に俺はその紙を拾った。
「…あ、すいません」
俺は何も言わずぺこりと頭を下げてその紙を渡した。
同じく彼女もぺこりと頭を下げた。
その時香った柔らかい香水の匂いが今も鼻に残っている。
と「…仕事、帰りですか」
「えっ、あー、はい」
自分でもびっくりだが、あの俺から声をかけた。美人に。
「お兄さんも仕事帰りですか?」
と「いや、今日は休みです。てか、俺は東京の人じゃないんで」
「出張かなんかですか?」
と「まぁ、そんなもんですかね」
「どこから?」
と「愛知っす。」
「そうなんですね」
彼女の声もまた、柔らかくてなぜか心地いい声だった
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作者名:りんごじゅーす。 | 作成日時:2019年8月17日 0時