秘密の恋愛。2《としみつ》 (ページ17)

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雷ページ17

A視点

夕方頃からポツポツと降ってきた雨は、7時になった頃から激しさを増した。

『7時から12時にかけて、雷雨の恐れがあるでしょう』

と「えー。雷雨だってさ」

夜ご飯を一緒に食べながら、としくんはテレビを見てそう言った。

「やだなぁ。ジトジトする」

と「外にいるわけでもないのに？」

「ほら、テンションとか上がらんじゃん」

と「それはわかるわ」

「雨とかはさ、よく降るから慣れてるけど、雷とかやだな」

と「えっ、Aもしかして、雷苦手？w」

「っ、いや、そんなんじゃないけどさ…」

と「嘘つき！苦手なんだろ！」

「う、うるさい！ほら、早く食べてよ。冷めるじゃんか」

と「ふーん…」ﾆﾔﾘ

「何その顔」

と「雷怖いとか可愛いなぁって」

「わかったから、うるさい」

と「ごめんってw」

小さい頃、お母さんと一緒にお父さんを駅まで迎えに来た時から。

その日は今日の予報みたいな天気で、車に乗りながらみた雷は今も忘れない。

近くに落ちた雷が怖くて、その怖さが今もトラウマになっている。

幼稚いなぁ、私は

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..

夜ご飯の片付けが終わり、お風呂に入って、今私は洗面所で髪を乾かしていた。

夜8時になっても雨だけが激しくなるだけで雷が鳴るような雰囲気でもなかったことに、私は安堵していた。

と、その時

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ

「ひっ……」

雷だ。

近い。

慌ててドライヤーを片付けようとしたら、パッと周りが真っ暗になった。

「えっ、停電…？」

としくんがいるリビングに行こうとしても、真っ暗で何も見えなかった。

「もう、無理…」

私はその場にしゃがみこんだ。

怖い。

私にとってはおばけより怖い。

と「A？」

「ひゃっ」

私の肩に手が触れた。

「…としくん？」

「良かった、泣いてなかった」

何も見えなくても、彼の声だけで安心した。

「うっ…」

安心して、私はとしくんに抱きついた。

と「近かったもんな。怖かったろ」

「うん…」

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ

「ひゃっ」

としくんが抱いている私の肩に力がこもった。

と「大丈夫、大丈夫」

安心する。

怖いと思っても、なぜだろう。

彼がいるだけで