転入生と新結成・5 ページ35
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「――それで良いのか」
譲羽の背を眺めながら、どうしたもんかと考えていた時、隣から静かな声が響いた。
『彼』だ。
白衣のポケットに両手を突っ込み、眉を吊り上げた『彼』が、譲羽を睨みながら言う。
「譲羽深人。貴様は、それで良いのか」
「……は？」
「それで良いなら、全てを諦めているのなら――何故、貴様、此処を去らない。何故、決着を付けぬまま、こんな所で……宇宙を模した箱庭で、燻り続けている」
「……何だよ、いきなり……。何だって良いだろ、そんなの」
「怖いか」
『彼』の言葉に、譲羽が一瞬止まった。
「怖いのだろう、貴様。踏み出すのも、捨てるのも、逃げるのも――その全てが、『裏切り』と同意だと、そう思っているから」
「……っ！ アンタはっ、一体何を――」
「いいか、譲羽深人」
激昂しながら振り返った譲羽は、いつの間にか屈んで目線を合わせていた『彼』の目を真っ正面から見て、面食らったのか口を噤んだ。
そんな譲羽を尻目に、『彼』は淡々と言葉を続ける。
「�爐修讚瓩話僂困戮�ものではないし、憎むべきものでもない。その衝動自体は、貴様が貴様を守る為の機能の表れだ。生物として、とてもとても正しい事だ。
――その選択肢のどれか1つを貴様が選んだとて、貴様をなじる権利など、何処の誰にも存在しない」
譲羽はもう反論も出来ないのか、ただ呆然と、流れるような『彼』の言葉を聞いている。そんな譲羽を見ながら、『彼』は溜め息を吐いて、
「まぁ、そのある種の『潔癖』は、思春期の特権ではあるがな？ だからと言って、己を必要以上に追い込むな。その�犲�罰�瓩呂い弔�、貴様を�犲�害�瓩貌海�ぞ。
いいか？ 貴様が思い詰めずとも、罪過への�猜鵑き瓩蓮△い困貮�ず訪れる。折角この社会がそのように出来ているのだから、無理に抗わず身を委ねておけ。
己で己を裁くなどナンセンスで無意味だ、熱量の無駄遣いでしかない。……少なくとも、私はそう結論している」
そこまで言って、『彼』は振り向かないまま、後ろにいる私に向かって、ん、と片手を出した。
いや、『ん』じゃなくてさ。用件言ってよ。
まぁでも、話の流れ的に『これ』かな……？ と見当をつけて、持っていた内の1枚を渡すと、『彼』は無言で受け取ってサラサラと何か書き込み始めた。合ってたらしい。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
