転入生と後輩達・5 ページ23
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「潰され……って……どういう、事ですか？」
「どうもこうも。そのままの意味よ」
強ばった顔のまま、小さく尋ねてくるあんずちゃんに、溜め息をつきながら返す。
「天祥院は、敵には全く容赦しないし、必要なら身内でも切り捨てる。
謀略も懐柔も処刑も、全部笑顔で出来てしまう男よ。
……だから、アイツはこの学院を変えられたし、今も統治出来ている」
身体が非常に弱いのと、現実主義が過ぎて悲観的なのを除けば、天祥院英智は、完璧な『
何故って、アイツは生まれながらの病弱故に、『弱者』の心に寄り添えるから。
強者を恨み、自分の弱さを憎み、そうさせた世界や運命に憤りをぶつける。そういった、やるせない心に。
人の『弱さ』を分かる故に、どうすればその心を動かせるかをよく知っている――それはつまり、人心掌握に長けている、という事だ。
天祥院英智は、自分自身では動かず、周りの者を利用する。
それも、相手の親しい人間から、まるで絡めとるようにして。
――果たして、それに抵抗しきれる人間が、この学院にどれだけ存在するだろうか。
「アイツと事を構えるつもりなら、相当に覚悟決めときなさいね。私は手助け出来ないから」
「……どうして、ですか？」
「ん？ ……ああ、どうして手助け出来ないかって事？」
聞き返すと、あんずちゃんは真剣な表情で頷いた。
う〜ん……どうして、と聞かれても。
私が言えるのは、1つだけだ。
「――『革命』なんて、私みたいな
思い出していたのは、あの日の斎宮くんの言葉。
『君はもう、自由に生きていいんだよ……不陶』
私がもう、『自由』だと言うのなら。
『魔女』だからと言って、無闇に傷付く必要が無いと言うのなら。
「……出来れば、私の事は、そっとしておいて頂戴。私から動かない限りは、ね」
少し失望したような顔で、それでも、私の言葉にしっかりと頷くあんずちゃんに、今度こそ罪悪感が湧いた。
ゴメンね。
あんずちゃん、それに、さくやちゃんも。
でもね？
せめて、せめてこの高校生活、最後の1年くらいはさ。
私だって――『普通の女子高生』とやらに、なってみたいんだよ。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
