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林檎が3個 ページ5

とまあ、こんな感じ。その3週間後に相棒となる刀剣男士を決めてもらった。顕現はさせずに本体と紹介文を見せた。その方が先入観もなさそうだったので。
顕現させた時の皆の反応、面白かッたな。

休日、澁澤が死んだ後の記録を閲覧しに皆で資料室へ向かった。
『澁澤、お前の異能力に()いて教えて欲しい』
澁「霧を発生させ、霧の中にいた異能力者の異能力を結晶化させる。異能力が結晶にされてしまうと、その異能力者は自身の異能力が使えなくなる。そればかりか、その結晶が異能力者の異能──異能生命体や異形であればそれ自体に、形を成さない異能の場合は異能者そっくりに擬人化された異能──へ埋め込まれると、結晶を破壊しない限り異能自体が異能力者を攻撃してくる」(ピクシブ百科事典から引用、一部分変更)

『ん、分かッた。⋯⋯皆も連れてきてしまってごめんな、折角の休日なのに』
織「別に問題ない、小説の締切もないしな」
ジ「ああ」
そう、織田作は小説を書いているんだよ。夢だったんだッて。ジイドは編集者。
佐「ええ、私もです。部長には恩もありますし」
六「オイラもな」

彼女の云う『恩』というのは拾った事。マァ、拾ったのは俺のお節介のような物なのだけど。


『あ、あった。《台湾のタイペイ市街、シンガポール、デトロイトにて起こった事件。通称『異能力者連続自 殺事件』。犯人は澁澤龍彦。通称は蒐集者(コレクター)。》』
澁「一寸(ちょっと)貸してくれ」
俺が手渡すと、其れよりも前の(ページ)を捲り出した。

頁を捲る手が止まった。その頁を、何だか難しい顔をして見ている。
澁「矢張り⋯⋯」

織田作がその頁を覗き込んだ。
織「⋯⋯《とある孤児院にて傷害事件が発生し、被害者は重傷を負った。被害者は澁澤龍彦、加害者は中島敦。澁澤龍彦が中島敦を痛めつけた事が原因》⋯⋯⋯⋯アンタが死んだのは何時なんだ?」
澁「この時だ。だからこれは《傷害(・・)事件》ではなく《殺害(・・)事件》だ。私の異能力が動いていたから、勘違いしたのか?」
『多分そうだろう、歴史なんてそんなものだ。記録が無い限り、事実なんて幾らでも捻じ曲げられてしまう。過去へ行かない限り、真実(ほんとう)か何て判りっこないんだ』
───俺みたいにね
その言葉は、誰にも届かず溶けて消えた






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口調と時系列合ってるか心配
閑作さんの口調が前作よりも砕けてない(?)のは仕様です

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作者名:燈戀 | 作成日時:2018年9月5日 0時

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