超絶ネガティブな私がE組で学んだ事2

#73 ページ26

紗綾side

『って、私とデートっ！？』


私は、(夢主の兄)が居なくなった部屋で一人大きな声を出した

いや、出さずには居られなかったんだ

だって、デートって....あのデートだよね？

あのときは、単なる暇潰しに誘ってくれたんだと思ってた

何で、私なんかを誘ったんだろう

私と一緒に居てそんなに楽しかったって言うの？


『ない！ない！ないっ！』


私は、首をブンブン振った

うぅ、頭がガンガンする....

横になろ

私は、布団に潜り込んだ

そして、布団の中で考えた


堀部イトナと自分がデートしている所を


瞬間、火照った顔がもっと火照っていく


『何考えてるんだろ、私。いよいよ熱でおかしくなったかも。寝よ』


目を瞑る

でも、目を瞑っても全然眠れない

と、私が一生懸命寝ようとしていると部屋のドアの開く音がした


『(夢主の兄)？』


私がドアの方を見ると、そこには無表情の(夢主の兄)が立っていた


『どうしたの？』


何だか様子がおかしい＿＿＿＿と思っていた時だった

(夢主の兄)は、寝ている私の方にズカズカ歩いてくると


『えっ？ ちょ(夢主の兄)？』

(夢主の兄)「紗綾....」


いきなり私の上に乗っかってきて、私の身体をギュッと抱き締めてきた

ちょっ、そんな事してもいいの？

私を抱き締めたりしたら、異臭が一週間くらい取れなくなるわよ？


(夢主の兄)「お前、堀部の事が好きか？」

『は？ いきなり何聞くの？ そんなわけ....第一、堀部イトナが私の事好きじゃないし』

(夢主の兄)「そうか....」

『(夢主の兄)？ どうしたの？ いつもの(夢主の兄)じゃないじゃん」


明らかにいつもの(夢主の兄)じゃない

もしかして風邪うつしちゃったとか？


(夢主の兄)「何でもない。ただ、お前が堀部と付き合うかもしれないって考えたら寂しくなっただけだ」


付き合う....か

そんな事、この世が終わってもないと思うけど


『大丈夫だよ。例え、私が誰かと付き合ったとしても(夢主の兄)は私のたった一人のお兄ちゃんだから。その関係は、誰にも壊せない』

(夢主の兄)「紗綾....」


やばっ！

勢いあまってあんなこと言っちゃった

でも、(夢主の兄)の私を抱き締める力は途端に強くなった


(夢主の兄)「もう少し、こうさせろ」

お知らせ→←#72

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す