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301話 ページ11





やけにその音が大きく、鼓膜を震わせた


鍵ごしに伝わってきた重い感触と相まってさっきまで緩んでいた頬と上がっていた口角は

自分でも分かるくらい、ストーンっと切り替わったように落ちてしまった。

代わりとでも言いたげに襲ってきたのは、自分でも訳の分からない恐怖心


根拠もない、理由も見当たらない。でも




でも……嫌な予感がする。とてつもなく。ひたすらに。


視界の端が揺れる。





頭の中は真っ白だ。

_そんな事考えてる場合じゃない



考えなきゃ

_考えたくない







矛盾する多くの考えでごった返す脳内の葛藤に目を背けるように
下げていた視線を上げて
たった今通ってきたばかりの見慣れた廊下に視線を飛ばす



『……』



ガラーンとしている廊下、特に人影も気配も微塵に感じられない。

照明に照らされる廊下と対して外は暗く重く影を落とす。

改めて見てみると全く気にしていなかったその光景に異様なモノを感じてしまう。


ただ、廊下に人がいないだけ。



そして、鍵をかけ忘れてしまっただけ。



それだけで理由はつく。
前者は一目瞭然。誰でも分かる事だ。

後者だって同じ。
同じように部屋に入って実際にこの目で確認すれば良いだけの話。








けど違ったら?





予感通りだったら?




確認はするべきだろう。
けど、もう1つの予想が的中したとしたら…





『勘弁してくれよ……』





2つの選択にグラングランと脳が揺れるような感覚に
退きも進みもしない脳内会議に

嫌気が差す。






もう一度すっかり力の抜けてしまった手をゆっくり持ち上げる。
鍵穴にささったままの鍵を掴んで。

いまいち力の入らない手で今度はゆっくりと回す



さっきより遥かに軽い音が、感触が伝わってきて

__良くはないのだけれど、もう良いやと


投げ槍なのか自暴自棄なのかそれとも両方なのか分からないくらいぐっちゃになった脳内で
ドアノブを引く。









照明の光に照らされ煌々とした明るい室内。









一部分だけ影が落ちてて









動いてて









そして






 









そしてその影はそのまま私に突っ込んで来た

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最小幹部 - 奈津紀さん» うわあああっ!ありがとうごさいます!!とても励みになります!!! (2020年3月28日 22時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
奈津紀(プロフ) - こんばんは!めっちゃ続きが楽しみです!頑張って下さい! (2020年3月28日 20時) (レス) id: 05fc9e1e4f (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - 黒アゲハさん» ありがとう!ございます!!更新頑張りますっ!o(`^´*)(単純) (2020年3月16日 9時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高!!です!!(語彙力低下) (2020年3月16日 8時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - mameiyiteng3さん» コメントありがとうございます♪!紀章さんと司ちゃんの絡みは結構悪戦苦闘しながら書いてるのでそう言って頂けると、とても励みになります! (2020年2月9日 6時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:最小幹部 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月5日 21時

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