新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

289話 ページ48

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「それでさ〜」


「え〜マジ最悪ー」


「午後からダルーい」





時間帯が時間帯の為か、ガヤガヤと賑わう店内
偶然耳に入ってきた会話の続きはまた違う人達の会話に掻き消され更にまた違う人達の会話に掻き消される…と言った現象は絶え間なく続く


都会ならではの人の多さから来るこの賑やかさ、祭りとかイベント事とは違って
特別と言った感じは無いが嫌いじゃあない。

田舎でこんな人が固まると言ったら、基本祭りとか……後は餅投げくらいだから
ある種の新鮮味を感じているのかもしれない



「……ねぇ」



そんな店内とは違って静かに各々が珈琲を飲んだりと過ごす私達のテーブルに
気まずそうに小声で話す宮野さんに視線が集まる



「この状況に俺いるの？邪魔じゃない俺？つか気まずいんだけど？
どうしたの？ケンカ？カップルのケンカを見せられてんの？俺」


「邪魔とまでは言わないけど
いるかいらないかと聞かれるともういらない。」


『いります、めっちゃ必要です。なんなら一生居てください』



正面に座る彼氏サマとその隣に座る宮野さんからの視線を感じながら
珈琲の入ったマグカップを手に取り、口元に運ぶ




「…ダーリン浮気？」


『俺がそんな事をするような奴だと思うかい？ハニー』


「逆だよね？役割と言うか台詞逆だよね？？」




「てか俺は何をさせられてんの？」と珍しく困惑気味で突っ込みをこなす宮野さんを
横目にマグカップを傾けて珈琲を流し込む


恥ずかしさで今にも死にそうだが、あの後あの体勢のまま
小野Dさん達と遭遇(？)する直前まで話していたあの私の相談の話へと移行する訳にはいかず

(だけど週刊誌に取られるのは嫌だと誰か巻き沿いにして)
一先ず移動しようかと言うことになって廊下を移動してれば
丁度あのスタジオでお仕事のある宮野さんと鉢合わせした…


と、まぁそう言う感じである。

(当たり前だけどちゃんと時間は聞いてまだ余裕があったので巻き込ん…誘わせて頂いた)

そんな感じではあるが正直あの後で照れずに相談しろ、と言う方が私には難しいので
居て欲しいってのは本心である



『宮野さんを巻き込……誘った理由としてはそうですね…』


「あ…巻き込んだ自覚はあるんだね……」


『簡潔に言うなればそこに宮野さんが居たからですね』


「俺は山かなんかなの？」


「まぁ、大方合ってる」


「合ってんだ…」



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