276話 ページ35
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「それじゃ、お邪魔しました」
「んじゃ紀章兄やんまた今度
柏村もな」
「柏村ちゃん何かあったら直ぐ言うんだよ
…宮野さんとかに」
「しねぇから!するつもりも微塵もねぇけどマモはやめて!
あいつホンット容赦無いから」
『皆さんお気を付けてー』
扉の隙間から入ってくる冷たい風に末端から体温奪われてくの感じながら
風を切って寒空の下へと出ていく彼らの背中を見送る
いーやー、寒すぎでしょこれー
バタンと扉が閉まるとピタリと止む風
まだ外に出ないからと薄手の服だったのもあってすっかり体温を奪われた手を擦り合わせる
仕事行きたくないー
一回家に寄らなきゃいけないのも…億劫すぎる
唐突に視界の端からぬっと伸びて来た手に軽くビビると
ふわりと優しく両手を包まれる
『あったかっ』
「つっめた!」
冷えてんじゃん!予想してたよりも冷えてんじゃん!この短時間で!?
…と軽くパニクってる谷山さんに腕を引かれ部屋に戻される
引かれるままに付いていくと真っ直ぐと炬燵へと向かう
『あ、でも洗い物』
「ダメ、こんな冷えてんでしょ」
『でも暖まった後に洗うのヤダ』
また冷えちゃいますしと続けても谷山さんは止まる様子もなく
私だけ炬燵に押し込められる
いつもの感じで紀章さんも入ると思ってた私が谷山さんを見上げ
彼は私を見下ろす形になる
「こーら、そんな顔されたら離れがたくなるでしょ今は禁止」
『あぅ』
萌え袖気味だった両袖をまくり、ファンからも名高い逞しい腕が見えると
軽くデコピンを咬まされる。
解せぬ。私はただ見てただけなのに
「俺が洗うから司ちゃんはゆっくりしときな」
『えー』
「不満そうな声をあげない
先輩の前に彼氏なんだから彼女気遣うのは当然でしょ」
『だって…紀章さんお皿割りそ……』
「そっちかよ!!」
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最小幹部 - shinox2さん» やったー!((谷山さんはそう言うカッコいい言葉をサラッと言うイメージがあったのでぶちこんでみました! (2020年1月27日 3時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 「つーかそれは俺が決めるから取り敢えず話せ」刺さる。言われたい(///∇///) (2020年1月26日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - shinox2さん» わかります(笑)私も朴さんが結婚と言うのには「朴さん結婚するだ〜おめでとうございます!」みたいな感じだったんですけど、たっつんさんの時は「え、嘘マジで?ホントに!?(スクショパシャァァ)」って何か焦りました(笑) (2020年1月22日 21時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 朴さんの結婚は『あら〜姉さんおめでとう(^-^)』ぐらいだったのが、達の結婚は「!Σ( ̄□ ̄;)うぇっ!?は?まじで!?」でした。だいぶ絶叫して荒ぶりました(笑) (2020年1月22日 21時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - ころころさん» わかりみが深い……(精一杯の感想) (2020年1月19日 22時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
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