新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

272話 ページ31

狭まっていた視界が開けていても
結果として昨日あの後何があったのかと言う謎の増えただけの私は引っ張られた時の体制、つまりは谷山さんにもたれ掛かった？ままである



恐らく安元さんが居るのは
あの後に店から紀章さん家に移動してまた飲んでそのまま泊まって
今に至る……と言った感じだろうけども

安元さんだけとは考えにくいとかそう言うのは先ず置いといて！！




…………私は一体どうやってここまで来たんでしょうかね
ワタクシ気になってしまってしょうがないから今なら豆腐の角に頭ぶつけて死ねると思う



いつもならこの体勢テンパりまくる私だが今はそれどころじゃなくてテンパる余裕がない
正直『うわぁぁぁぁぁぁ』
と床で転がり回って謝り倒したい衝動を我慢して真顔になるのが今の私には精一杯である


酒飲んだ訳でもないから余計に記憶が無いってのが超怖い



とりあえず顔を動かして部屋の家具とかを見回して見れば
現実逃避をし続けてはいたが悲しいことに視線を動かせば動かしていく程に
ここを紀章さんの家と認めざるを得なくなってきた


……これはあの、あれ、ですよね…？もしかしなくとも、あれですね…

盛 大 に ご 迷 惑 をおかけしまくりましたパティーンですよね、これ



ゆっくりと、首にめちゃめちゃ力を入れて極力目が合うまでの時間を引き延ばしながら顔をあげる。
徐々に紀章さんの顔が視界を占めてくる


いよいよ目が合うと紀章さんは呆気に取られたように目を見開くと
余程酷い顔をしているらしい私を見て困ったように笑う




「とりあえず部屋出ようか」


『ちょっと心の準備が……』


「…いる？」


『いる』


「……そっかー」

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