新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

265話【谷山side】 ページ24

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「野郎共酒は持ったな、よしじゃあ
かんぱ〜〜い




……はぁ」



去年の末にマモやタツ達との打ち上げから１週間
更に年が明けてから早１週間と数日
44歳にして人生で始めて掛かったインフルエンザ(A型)やお互いの都合が合わなかったりと

何やかんや少なくとも２週間は司ちゃんと会えていない俺の口から
溜め息が出るのは不可抗力だと思う


そんな俺を見て苦笑混じりに「かんぱ〜い」と声を出すのは
今しがた終わったばっかりの現場で一緒だったやすもっちゃんとタツとしょーたん

野郎共ばっかの飲みに文字通りの紅一点である司ちゃんが居ないのも理由の一つ



「谷山さんわっかりやす…w」


「俺こんな紀章兄やん始めて見た」


「今回の収録、かし…フェル様居ない回でしたからね…」


「翔太、多分それトドメだぞ」


「えっあっ、済みません！」


「もう無理司ちゃんに会いたい」


「あっ、駄目だこれ」



まぁ、しょーたんの言う通りで俺アーサの司ちゃんフェル様の正直題名覚えられてないあのアニメの収録時には司ちゃんは居るものだと思ってたのも相まって
かなりの大ダメージ…

例えるならドラ○エで言うとこの痛恨の一撃




「これはもう明日の為に飲むしか…！」


「やめときなさい、明日あなたラジオあるでしょ
娘に迷惑かけたら許しませんよ」


「お義父さんより俺の方が年上なんだけど」


「あ、じゃあなんかつまめるもんでも頼みます？」



そう提案するや否や「済みませ〜ん」とタツが店員さんに声を掛ける
個室しかない店だからかタツの声にすぐに現れた女性の店員さんに
タツがメニューを片手に注文し始める




「店員さん美人さんですね」


「ほんとねー」



机を挟んで目の前でコソコソと小声で話す二人の会話が聞こえてきて
グラスを傾けながらタツの方へと視線を動かす



「……やん」


お店の洋服？制服？なのか着物を纏って笑顔の店員さん
まぁ、確かに美人だと思うけどやっぱ……



「紀章さん聞いてます？」


「……ん？何を？」


「つまみ、なに頼みます？」


「あーじゃあミックスナッツをふた……」



そこまで言い掛けてからタツ達が驚いたように目を見開いて
苦笑を溢したのが視界の端に映ってからやっと気が付いて

せりあがってきた溜め息と頭を抱えたい衝動を堪えて飲み込んだ
　









「……ミックスナッツ２つ
後、いいちこ下さい」

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