新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

【番外編】大晦日 ページ16

身を刺すような寒さに体を縮こませてマフラーに顔を埋める
ポケットに手を突っ込んで更に吹いてくる風に逆らって家に向けて足を動かす



『おー……満月や満月』



今更ながら今年最後の月が満月な事に気が付いてスマホのカメラを向ける
カシャッとシャッター音が聞こえ、写真を軽く確認してから
Twitterに”今年最後の満月〜皆々様良いお年を”の一言を添えて投下する


唯でさえ動かしづらかった手が更に動かしづらくなって

部屋から撮れば良かった〜とか考えながらスマホをしまって足を動かす




『さーむーいー

大晦日にこんな夜遅くまでお仕事あるのも何だかな……』



お仕事頂いてる身ではあるのだけどそこは少し複雑
でも2019年の最後くらいは炬燵でゆっくりしたかったし、もっと言うならぁぁあ



『えぇい、やめだやめ
考えても今更何になると言う……いう？』




ブラブラと手を振っていたのが思わず止まる
何なら何を言おうとしていたか一瞬で飛んだ上に思考も止まる


その原因と言えば
お隣さんやらの部屋から少し聞こえる笑い声だけが聞こえる廊下に

このくそ寒い中

私の部屋の扉の隣で背中を預けた状態でポケットに手を突っ込んで
体を縮こませてる谷山さんの姿


このくっっそ寒い中！



『なっ、何をしてっ、て言うか何で此処にっ！？』



「司ちゃんおそーい、俺待ちくたびれたよー？」



『それはごめんなさい！？』



「ウソよウソw
言って５分くらいしか待ってない」



『どのみち申し訳無さすぎるんですが！』




なんか違う方で背中がゾンゾンしてきた！

自分の首に緩く巻いていたマフラーを外してそのまま紀章さんの首に巻き付ける
ズボンのベルトを通す部分にくくりつけていた金具を引っ張って鍵を取り出して鍵穴に突っ込む



「だって、大晦日くらい彼女と居たいじゃない？」


『……紀章さんホントそう言うとこですからね？』




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年末年始でイチャついて欲しい()



皆々様良いお年を！来年もよろしくお願いします！！

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