新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

257話 ページ14

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「……頭いた
気持ち悪っ」


『私が2日酔いは良くあるにしろ
君まで2日酔いとは珍しい』


「誰の所為だと……」


『お前』


「…ぐうの音も出ねぇ」



出されても困る

つか一升瓶片手にいきなり来た奴を追い返しもせずに家に入れた私を褒めろ
いや、もはや褒め称えて貰っても良い？



適当に作った雑炊と2日酔いの薬を流し込んだ後等々色々と理由はあるだろうが(主に酒)
「あー…」とゾンビのような声を出して歩く華奈の後ろを着いていく

着いていくとは言っても今向かっているのは玄関で
華奈はこれからタクシーで家に帰るからその見送りみたいなモノだが

もう少しゆっくりしてけば良いのにと言ったところ返ってきたのは
「胃もたれしそうだからヤダ」と言う”もうこりごりだ”とでも言いたげなジト目だった。

何で私が悪者みたいになってんだ



「あ、そうだ」



靴を履きながら何か思い出した様子の華奈
どうせ大した事でも無いだろうと適当に生返事を返すが
それに慣れてるコイツは気に留める様子もなく更に続ける



「とりあえず紀章さんとの事は私に任せといてくれたまえ！」


『嫌な予感しかしないから拒否』



ほら変なことを某CV宮野さんのキャラ風に言い出した
これで分かった君は多分勇者だ多分


話は戻して拒否と言ってるのに「まぁまぁ照れるなよ」と言うコイツには
きっと音を聞くと言う役割を持っているはずの耳の機能が著しく低下しているのだろう。



「んじゃあそろそろ行かないと
タクシーの運ちゃん待たせちゃってるから」


『気を付けてなー』



多分見えてないだろうが、華奈の背中に向けて手を振っておく。
バタンッと扉が音をたてて閉まったのを確認してからガチャリと鍵をしめておく。

どうせ昼まででないのだから問題は無いだろう

チェーンは……まぁ、良いか



『ふあ〜ぁ』



静かになるとせりあがって？来た欠伸を一つ溢し体を伸ばして首をゆっくりと回す

……あー、仮歌の確認しとかなきゃ
近くにあったスマホとイヤホンを手に取る



『……ん？』



再生ボタンを押す前に画面の上部からすっと出てくる通知
メイトのかと思えば違った
華奈からのLINEで”ゲロ甘だったからお裾分け♥”のメッセと送られてきた動画




『……？』



とりあえず再生してみようと

送られてきた動画をタップして直ぐ様私は後悔するのであった。

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