242話【谷山side】 ページ48
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彼女の住んでいるのは小さなアパートみたいなモノで
見た感じ、四階建てで一階は小さなエントランスで二階からが居住スペースと言った形だった
色々なモノに視線を飛ばしながら司ちゃんの後ろを付いていく。
とは言っても彼女の部屋は二階にあったから直ぐに
彼女の『ここです』って言う心地の良い声に我に返ったので大した時間でも無い
まぁ、別に司ちゃんの部屋がどこにあるか位にしか興味も無いから構わないが
誰だ今発言が危ないって思ったヤツ。俺だよ
ガチャリと金属と金属の擦り合う音が静かな廊下に響いて消えた
彼女の細い指がドアノブを掴んで引くと軽い音がまた響いて扉が開く
『どうぞ〜』
「あっ、おじゃ……」
……いや、それだと何か壁感じるよな
ふと思い立ち、少しばかり下げていた顔を上げ不思議そうに此方を見る司ちゃんを見据え
「…ただいま」
ここ最近口にしていない言葉を口にする。と
彼女はその不思議そうに首を傾げていたのを正して、呆気に取られたように目を丸くさせる
『お……おかえりなさい…!』
「ん…!」
驚いた、とばかりに目を見開いていた司ちゃんが嬉しそうに笑ったのを見て声が漏れた。
ちょっとそれは反則……狡い。かなり狡い
久し振り過ぎて改めて言った事への恥ずかしさといきなりの笑顔に一発(?)K.O.を喰らい
素直に可愛いと思う気持ちと少しばかりの”俺だけ狡い”っつー反抗心みたいなモノが入り交じった何とも言えない感情に突き動かされて後ろから彼女の細い腰に腕を伸ばした
『わぁ…ん?』
「……犬?」
彼女の腰に腕を巻き付け密着させる
その拍子に司ちゃんの口から漏れた言葉にそう尋ねると『ちがいますー』と一刀両断され
彼女は俺の腕の中でクルリと体を180度回転させ、俺の顔を両手で包み込んだ
いくら……いくら、俺と司ちゃんの身長差がそれなりにあるとは言え今の状態で
体の向きを変えれば顔は一気に近付く。
それだけでも少しクるモノがあると言うのに更に両手で包み込み
更にぐいーっと引っ張ってくる。
……。耐えろ俺。あと理性も。
『冷たっ!冷えてるじゃないですかもう!早く上がってください』
「それよりも俺のピュアな男心をこれ以上弄ばないで……」
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(uωu*)
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最小幹部 - romishinlikeさん» コメントありがとうございます!自己満な小説ですがそう言って頂けるとはすごく嬉しいです! (2019年11月23日 8時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
romishinlike(プロフ) - 初めまして、こんばんは。更新お疲れ様です。いつも楽しく読ませて頂いてます。恋人になった2人の話がとても楽しみです。 (2019年11月22日 22時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
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