227話 ページ33
『さて、そろそろ今回のラジオの終了のお時間が近づいてきましたが
谷山さんどうでした?』
「扱いが完全にゲストなのに戸惑いを隠せませーん
本当に俺来週も来て良いんだよね?」
『来て下さーい、来て頂かないと私がこのラジオを乗っ取っちゃいます』
「それはそれで面白そうだけど」
『おおっと、予想外の返答が返ってきた。
ついでに時間も迫ってきたので今回はここまでです!また来週お会いしましょう!
…せーの』
「声優next night〜!おやすみなさ〜い!」
『パイセンそれ違うやつです!アカンやつ!
あっ、バイバ〜イ!』
・
少しすると「OKでーす」との声が聞こえる。
ほっと溜め息を付く暇も無い位に即座にスタッフさんからボードとペンが渡される。
うん、慣れた。
「これって何書けば良いの?」
『基本的に何でも良いと思いますよ
このラジオでの感想だとか、最近ハマってるモノだとか』
「特に決まって無いんだ」
『そうみたいです』
私の返答を最後にお互いに黙々とペンを動かす。
ボードとペンの擦れる音だけが部屋に響く。
_フェル様視点で何か書こうかな
何となくの方向が決まり、ペンを滑らせる。
「出来た、ようはこんな感じ?」
「じゃ〜ん」とボードを此方に向ける谷山さん。
彼のボードには”待たせちゃったね、フェル”とアーサ風のメッセージである
『”待ちくたびれたぞ、アーサ”』
「考えてた事は一緒ってわけかw」
『そうですねw』
「メッセージとお二人を写真に収めたら収録は終わりです
いきますよー、はいチーズ」
かなりいきなりのコールに谷山さんが慌ててカメラの方を向く。
間一髪と言った感じでギリギリ向けたくらいでパシャリとカメラのシャッター音が聞こえてくる
「はえぇよ!何かもっと一言なんか頂戴!」
「自然体の方が良いかなと」
「ちょっと既に来週から来たくなくなってる節があるんだけど俺」
『ここの現場はキャストも自由でスタッフさんも自由なのが良いとこだと私は
………………思いたい』
ボードとペンをスタッフさんに返却して、その背中が部屋から出るのを見送り
ちょっと伸びをする。
「…お疲れ、司ちゃん」
『お疲れ様です』
「ねぇ、司ちゃん。この後仕事入ってる?」
『?いえ?入ってませんよ』
「じゃあ、ちょっとだけ行きたいとこあるから付き合ってくんない?」
『構いませんけど……一体どこへ?』
「俺タピオカ飲みたい」
『女子か』
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最小幹部 - romishinlikeさん» コメントありがとうございます!自己満な小説ですがそう言って頂けるとはすごく嬉しいです! (2019年11月23日 8時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
romishinlike(プロフ) - 初めまして、こんばんは。更新お疲れ様です。いつも楽しく読ませて頂いてます。恋人になった2人の話がとても楽しみです。 (2019年11月22日 22時) (レス) id: a4ecf0990e (このIDを非表示/違反報告)
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