可愛らしい彼女は6【赤羽業】

十五話 ページ17

「と、言うことがありまして。暫くは道場に住むことになるんです」


翌朝、学校へ向かいながらカルマくんに報告を。
案の定彼は驚いたような顔をしていた。


「えぇ……Aちゃんは本当にそれでいいの？」


「家にこだわりはありません。どこに住んでもどうせ一人ですから」


「じゃあさぁ………うち、来る？」


「え？」


恋愛ドラマか何かのような甘い台詞に、どきっとする。
でもカルマくんはいつもの飄々とした表情で。


「俺もひとり暮らしみたいなもんだし、丁度いいんじゃない？」


「え……あ………」


「そんなに嫌？」


「ま、まさか！もし、一緒に住めたらな…なんて、思ったこともありますし………いや、でも………いいんでしょうか？ご迷惑では…」


「俺は一日中Aちゃんといたいけどなぁ」


「っ、……い、いいんですか？」


「勿論」


「ありがとうございます………」


自分でも顔が赤くなるのがわかる。
だってこれって、……


「同棲………生活…」


「あはは、顔真っ赤。かわいー」


「か、カルマくん」


「なに？」


「よろしくお願いします…っ」


ぺこりと頭を下げると、カルマくんは楽しそうに笑った。


「好きだなー、Aちゃんの礼儀正しいところ」


「……っ、カルマくんはずるいです……」


「えー？」


心外そうに少し眉をひそめて、口元を手の甲で隠してクスクスと笑うカルマくんが本当に綺麗で。


「本当に…ずるいですよ」


顔が赤くなるのは、あなたのせいですからね。

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