十九話 ページ48
カルマside
ピンポーン
自転車にまたがったまま、Aちゃんの家のインターホンを鳴らす。
そういえば今朝は、烏間先生から一斉メールが来ていた。確か新しい体育の先生が来るとか。
烏間先生はどうなるんだろう、なんて考えていたらドアの開く音がした。
「お待たせしました。おはようございます」
「おはよー………あれ、」
目があったAちゃんの、なにかが
いつもと違う気がする、と思ったが鍵を占めるのに後ろを向いたところで確信した。
髪型が違う。
いつもは少し伸びてきたセミとロングの間くらいの白銀の髪をおろしているだけだが、今日は両サイドを編み込んで紺のバレッタでハーフアップにしてある。心なしか毛先のほうがゆるくカールしている気がする。
まあつまり、なんというか、
とにかく可愛い。
「髪型、変えたの？」
鍵をしまいながらこちらへと歩いてくる彼女に問いかけると、自信なさげに俯いた。
「や、やっぱり変でしょうか………」
「まさか。超可愛いよ。それ、すげー好き」
「っ……！」
Aちゃんはちょっと驚いたような顔をしてから顔を赤らめて、自転車の後ろにまたがる。
ああ、二人乗りすると見えないのが残念だ。
自転車を漕ぎながら、照れて黙りこくってしまった彼女に話しかける。
「どうして今日はその髪型にしたの？」
「…たまにはいいかなって思いまして」
なんだか裏の有りそうな返答だったけれど、突っ込まないであげる。女の子には色々あるのだろう、たぶん。
ああでも、それが。他の男のためだったら嫌だなあ、と思う。
まあ、今の関係に甘えて、この気持ちをAちゃんに告げる気の全く無い俺には、そんなことを思う権利は無いのかもしれないけれど。
「カルマくん」
「なーに」
唐突に俺の名前を呼んだAちゃんに反応すると、彼女は何を言うでも無く、俺のお腹に回した腕をきゅっと強くして、背中に密着してきた。
抱き返してあげられないのが惜しい。
「………」
沈黙を貫く彼女の様子から、どうやら用があって俺のことを呼んだわけでは無いらしい。
最近、彼女のペースに絆されることが多くなった。
前は俺がいつも一枚上手だったのに。
でもAちゃんと近づけたと思えば、些細なことだが、すごく嬉しい。
人に対して警戒心が強く、臆病な彼女が、一生このまま、俺にだけ懐いてくれたらいいのに。と言うのは、汚い独占欲だろうか。
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あうおん(プロフ) - メグさん» 応援ありがとうございます！自分の好みを全面に押し出した小説なのでそう言って頂けて嬉しいです！(^^) (2018年11月11日 2時) (
レス) id: d2e7fd5942 (このIDを非表示/違反報告)
メグ(プロフ) - 凄い面白いです！どうやったらあんな小説が書けるのか不思議なくらいです。1人でニヤニヤしちゃいます(〃'▽'〃) (2018年11月10日 19時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
あうおん(プロフ) - しばらく離れていたのですが、ふと覗いてみたら応援のコメを頂いていて、嬉しくなりました。出戻り&亀更新ですが、また書きたいと思います (2018年11月8日 0時) (レス) id: d2e7fd5942 (このIDを非表示/違反報告)
n a s a b a n a - 読んでると、顔から湯気がでそうですね(暑いですね)← 夢主ちゃんと、カルマ君を早く、くっつけたい…という思いが溢れかえっていますww(ヤバイ、この部屋暑すぎる) これからも、頑張ってください！(熱中病気をつけてネ！) (2018年7月16日 10時) (レス) id: 1ef74e7ff5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - このお話すごい好きです！更新楽しみにしてます！ (2018年7月15日 16時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あうおん | 作成日時：2016年11月7日 12時
