十八話 ページ47
「…〜〜ではこれは完了の助動詞り、ですね。りの接続は何でしたか？木村くん」
「え、ええ……？已然形…かな？」
「半分正解、半分バツです」
器用に顔の半分ずつに☓と○を作って、せんせーは授業を進める。
とっくの昔に得た知識を、軽く聞きながら復習する。
楽しいか、と問われればYESとは答え難い。が、勉強はどん底の私に活路を見出してくれたアイデンティティでもある。
おかげで今は、このようにほとんどの授業が復習だ。
ただ、授業の内容はすべて理解できても、今の私は、どうしても解けないある一つの問題に立ち塞がれている。
カルマくんへの気持ち。
彼に恋している自分がいるのはわかっている。
ただ、ろくに人とも関わってきたことのない私が、恋だなんて初めての感情をどうしたらいいのかわからず、感情の行き場に困っている。
本人に伝えてしまったら、きっともう今の関係性は壊れてしまう。
好きな人に一緒に居てもらえて、ハグしてもらえて、それだけで十分過ぎる幸せだ。と思う。
ただ、もしせんせーを殺せて、地球が滅亡しなくて。私達が別々の高校に進学して。一緒に登下校したり、お弁当を食べたり、たまにはサボったり、できなくなってしまったら。
今の曖昧な関係なんてあっさり無くなってしまう。
それは嫌だ。
もし。もし付き合えたら、きっと卒業後も一緒にいられるんだろうけど。
なんて、夢を見てしまう私がいるのも事実だ。
でも今は、この曖昧な関係に縋っていよう。
彼に溺れたまま、気持ちが溢れそうになったら閉じ込めて。溢れ出てしまったらハグでもしよう。きっと優しい彼は抱きとめてくれる。
でも、振り向いてもらえる努力はしなくては。
明日は、少し髪型を変えてみようか。
昼下がりの風がそよぐ最後列の席で、少女が1つ決心をしたとは露知らず、赤髪の少年はノートにメモを書き込んだ。
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あうおん(プロフ) - メグさん» 応援ありがとうございます！自分の好みを全面に押し出した小説なのでそう言って頂けて嬉しいです！(^^) (2018年11月11日 2時) (
レス) id: d2e7fd5942 (このIDを非表示/違反報告)
メグ(プロフ) - 凄い面白いです！どうやったらあんな小説が書けるのか不思議なくらいです。1人でニヤニヤしちゃいます(〃'▽'〃) (2018年11月10日 19時) (レス) id: e180184c40 (このIDを非表示/違反報告)
あうおん(プロフ) - しばらく離れていたのですが、ふと覗いてみたら応援のコメを頂いていて、嬉しくなりました。出戻り&亀更新ですが、また書きたいと思います (2018年11月8日 0時) (レス) id: d2e7fd5942 (このIDを非表示/違反報告)
n a s a b a n a - 読んでると、顔から湯気がでそうですね(暑いですね)← 夢主ちゃんと、カルマ君を早く、くっつけたい…という思いが溢れかえっていますww(ヤバイ、この部屋暑すぎる) これからも、頑張ってください！(熱中病気をつけてネ！) (2018年7月16日 10時) (レス) id: 1ef74e7ff5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - このお話すごい好きです！更新楽しみにしてます！ (2018年7月15日 16時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あうおん | 作成日時：2016年11月7日 12時
