告白 ページ34
扉を開けると、高梨先輩がいた。
先輩はいつも通り、パイプ椅子に座って本を読んでいたようで、俺が顔を覗かせると本から視線をこちらへ上げた。
「先輩、こんにちは。」
「…こんにちは。」
先輩が挨拶を返してくれたことに少しニヤけてしまうのを抑えながら、先輩の元へ向かう。
「佐々木。昨日、本にこれが挟まっていたんだが、なんなんだこれは。」
先輩が俺が書いた紙を見せて聞いてきた。
よし、準備はいいな? 佐々木健太。
「先輩………俺、
先輩のことが、…好きです!
付き合ってください!! 」
俺は、勢いよく頭を下げて告白する。
先輩にどう返されるだろうか…
先輩は今どんな顔をしている?
俺にとって長い長い時間が過ぎていく。
室内はシーンと静まりかえっている。
「…は? キッモ」
ああ。駄目だった…
膝から崩れ落ちていく。
この1ヶ月は俺の勘違いだったのか…?
「…」
ショックで無言になっていると、先輩の笑い声が聞こえた。
「何? 本気にしたの?
____嘘に決まってるだろ。」
う、そ…?
どこからどこまでが嘘…?
俺が顔を上げると、先輩は優しく微笑んでいた。
…ああ。俺の好きな先輩の表情だ。
「どういう、意味、ですか、…? 」
震える声で、先輩にきいた。
先輩は目を反らし、少し顔を赤くさせながら、言った。
「………俺も、佐々木、くんの、ことが、好き、です……」
「幻聴じゃないですか? 」
「…現実だ。」
「先輩は俺のことが好き…」
「復唱するな、馬鹿野郎。」
「先輩、可愛い。」
「…気持ち悪い。」
「…先輩、俺と付き合ってくれますか? 」
「…うん。」
小さく恥ずかしげに頷いてくれた先輩。
先輩……可愛い………かわいい…
「ぜん”ばい”ぃぃぃい!!!!!」
「!? こっちに来るな! 」
嬉しすぎて、先輩に飛び付いた。
先輩は言葉で拒否しながらも、俺を抱き止めてくれた。
先輩暖かい…
好き…
「…健太、好きだよ。」
耳元でそう囁かれた。
「俺の方がA先輩のことずっとずっと好きです。大好きですよ! 」
A先輩を、離してしまわないように、ギュッと抱きしめ直した。
_先輩が高校を卒業してしまったら、終わってしまうかもしれない、儚い関係かもしれないけど、それまで俺は先輩と幸せで居続けたい。
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壱(プロフ) - 色彩さん» 先輩可愛いですからね、仕方ないですね。手はお大事に (2019年10月7日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
色彩 - 先輩が可愛すぎてじたばたしてたら机に手をぶつけた人です........w (2019年10月7日 19時) (レス) id: 6770d884cb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ - ナナさん» そう言って頂けると、キャラ達も喜びます!ありがとうございます。嬉しいです! (2019年4月5日 0時) (レス) id: fa04b5e127 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 先輩が可愛すぎて辛い…。もう夢小説とかどうでも良くなるくらい佐々木くんと先輩を推しまくりました(笑)作品自体に出会ったのは最近ですが私はもうひぃさんのファンです!!いや、ファンにしてください!(笑)これからもひぃさんの作品楽しみにしてます!! (2019年4月1日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - いや、もう浸かりましたwBLにはまったのがこの作品のおかげですよ! (2019年3月20日 15時) (レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年1月12日 23時