告白2 ページ4
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少し気まずい感じがして、いづらい。
咄嗟に帰らないって言ったけど、この空気はいろいろ辛い。
「せ、先輩。今日は何読んでるんですか?」
何か話したくて、先輩の好きな本の話題を出した。
「本だ。」
「流石にわかりますよ!?…えーっと、なんて題名の本ですか?」
先輩は、無言で本の表紙を見せてきた。
そこには……
解読不可能な漢字が並んでいた。
つまり、俺はこの本の題名が読めないのだ。
「む、難しそうな本ですね…先輩そういうの好きなんですか?」
「別に。あったから読んでる。それに、この本はそれほど難しい内容は書いていない。」
少し饒舌になった先輩に、俺はにやけた。
先輩は本に集中しているので、俺がどんな顔をしているか知らないだろう。
「先輩、その前髪邪魔じゃないですか?ただでさえ先輩目が悪いのに、そのままじゃあもっと目が悪くなりますよ?」
先輩の綺麗な黒い髪を見ながら、そう言う。
「お前に気にされることじゃない。」
バッサリと話を切られた……
ザザッ
先輩が椅子を動かし、俺の方に近づいた。
「なななな、先輩!?」
こ、この行動は何!?
それに距離が近いし、下手したら腕が当たるのでは!?
再びばくばくと心臓が活発に動き始める。
背もたれによりかかり、俺に気にしないで本を読む先輩。
俺から見たら伏し目がちで、いや、なんとも………
いやいやいや。何考えてんだ、俺!?
「佐々木。カーテンを閉めてくれないか。」
「か、カーテン!?わかりました!」
少し不機嫌そうな先輩の声を聞いて、急いでカーテンを閉める。
「どうしたんですか?急に。」
「西日が暑い。」
「ああ。なるほど。」
この資料室の窓は南向きで、太陽の光は朝から夕方まで入る。
今も丁度西から太陽の熱が伝わっていて、確かに暑い。
先輩はその日射しが嫌だったようだ。
よく見れば、俺の影に入っていた。俺に近づいたのはそのためだったのかぁ…
それでも暑いようだったから、俺に頼んだみたい。
というか、なんで資料室のカーテン開けてんですか…
開けるなって言われているでしょうに…
「…ああ。カーテン閉めてくれてありがとう。」
「!!はい!」
先輩からありがとうと言われるなんて、嬉しすぎる。
俺はきっと先輩の掌の上で転がされている。なんか自分でも、褒められて凄い喜ぶのはチョロイって思うし。
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壱(プロフ) - 色彩さん» 先輩可愛いですからね、仕方ないですね。手はお大事に (2019年10月7日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
色彩 - 先輩が可愛すぎてじたばたしてたら机に手をぶつけた人です........w (2019年10月7日 19時) (レス) id: 6770d884cb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ - ナナさん» そう言って頂けると、キャラ達も喜びます!ありがとうございます。嬉しいです! (2019年4月5日 0時) (レス) id: fa04b5e127 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 先輩が可愛すぎて辛い…。もう夢小説とかどうでも良くなるくらい佐々木くんと先輩を推しまくりました(笑)作品自体に出会ったのは最近ですが私はもうひぃさんのファンです!!いや、ファンにしてください!(笑)これからもひぃさんの作品楽しみにしてます!! (2019年4月1日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - いや、もう浸かりましたwBLにはまったのがこの作品のおかげですよ! (2019年3月20日 15時) (レス) id: 072ca93e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年1月12日 23時