【BL】先輩を攻略するのは難しい。【オリジナル】

告白24 ページ27

* * *

「先輩! 」


「先輩? 」


「せーんーぱーいー」


「A先輩」


「！？ 」

「あ、やっとこっち見てくれましたね。」

テストの結果報告が終わった後、先輩は俺とのハグが相当恥ずかしかったみたいて、顔真っ赤にして本を読んで俺を無視していた。
まあ、俺は人に無視されるのは嫌いだからずっと先輩を呼んでいた。

名前を呼んで振り向いてくれるなんて可愛いな。目がすごい泳いでる。

そんなに動揺を見せるなんて、初めてかもしれない。

「…っなんだお前。うるさい。」

「えー？ 先輩が静かなだけですよ。」

不機嫌になってしまって、またそっぽを向いて本を読み始めた。

「そういえば、先輩ときどき口調変わりますけど、あれは俺へのデレの表れですか？ 」

今まで「佐々木」とか「お前」とか「きも」と平気そうな先輩が、「佐々木くん」とか「すごいよ」とかに変わるなんて誰が思ったんだろう。


「…頭イカれてるんじゃないか？ 」

キッと先輩は睨んできた。

先輩的には触れてほしくない話題だったみたいだ。そんな反応するから、ツンデレっぽくなるんですけどね。


.

「先輩可愛いですね！ 」

不意に出た言葉だった。俺的には毎日言っているような言葉がポロリと、俺の口から初めて出た。


「は？ 」

低く地に響くような声を先輩は発した。
室内の温度に一気に下がったような気がした。

俺は鳥肌がたってしまっていた。

「先、輩……?」

そして、固まっている俺を見て先輩は、ハッとなった。

「！ 悪い、忘れろ。」


その後の部活は気まずいまま時間が流れた。

あの先輩の表情、どう見ても怒っていた。
俺、なんか先輩の気が触ること言っちゃった…!?
そうだとしたら、“可愛い”…に? 可愛いなんて聞きなれてるだろう。そんなに反応するほどかな…?

俺は、今日の先輩の反応について悶々と考え続けるのだった。

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