Midnight Devil_2

68. ページ18

西畑side





正「で、大吾はなんでそんなニヤニヤしとるん？」





西「えっ、内緒に決まっとるやん。」





キスしたなんて、言われるわけあらへん。





やけど、思い出しては頬が緩んでしまう。





藤「えらい気持ち悪い顔しとるな。」





大「丈くん、そんなこと言ったらんの。」





なんて声も聞こえてくるが、今の俺には気にならない。





藤「大吾、いつまでニヤニヤしとんねん。





儀式の準備をせなあかんやろ？」





丈くんの言葉にやっと現実に引き戻された。





小「儀式ってどうするんでしたっけ？」





正「小島、忘れたん？」





大「俺も忘れた〜。」





正「はぁ…」





ため息をついている正門。





今回、頼りになるのは純血ヴァンパイアなのだ。





…俺と丈くんはそういう儀式をやったことがないから。





正門のまぁまぁわかりやすい説明を聞きつつ、疑問に思ったことを口にした。





西「その儀式を行うのは、純血やないとあかん？」





正「せやなぁ、混血でもできるんやろうか。」





調べとくな、と正門は言った。





大「大ちゃん、嫌なんやろ。Aちゃんに他のヴァンパイアが触れるん。」





はっすんがニヤニヤしながらそう聞いてくる。





俺は、うっさい、と返しておいた。





小「おぉ、嫉妬、ってやつですね！」





西「小島も乗らんでええねん…」





正「そこ、説明続けるで。」





正門が俺らのことを指して、そう言った。





藤「でもさ、問題はこの儀式をどこでやるか、やない？」





正「そうやねん。」





大「えぇ、どういうこと？」





正「他のヴァンパイアたちに見つからないところやないとあかんやろ？」





そうだ、これは極秘なのだから。





見つかったらいけない。





西「俺が探す。」





正「大吾？」





西「そこまでみんなに迷惑かけられへん。





この儀式も、もし俺でできるんなら、俺一人でやる。」





正「でも…」





西「万が一、見つかっても俺一人でやったこと。





罰せられるのは俺一人で十分やから。」





それが俺なりの覚悟。





Aちゃんにはかなわへんかもしれへんけど。





藤「…もう共犯やろ。」





西「えっ？」





藤「ここまで来たら、最期まで一緒にやろうや。」





その丈くんの言葉に、みんなが賛成する。





西「ありがとう。」





俺はそう言って笑った。

69.→←67.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す