【エイジ】恋降る雨の日の話。 -Another Story- (ページ15)

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#15 ページ15

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自分の気持ちに戸惑いながら

その夜、帰宅するとYouTubeで

アバンティーズの動画を再生する。

『はい、どうも！
アバンティーズのエイジと』

画面の向こうの彼の笑顔に

私は思わず動画を一時停止した。

『付き合ってる奴とか……いねぇの？』

“いないよ”と答えた後に見せた、

あの表情が思い出されて。

意識したくないのに

再生した動画のなかで

姿を追ってしまうのはやっぱり彼で。

「……」

動画が終わって、

倒れるようにベッドに寝転ぶと

照明の眩しさに目を細めながら

白い天井を仰いだ。

もし、

このまま気持ちが進んだら─────

もしも歯止めが効かなくなったら

もしも完全に自覚したなら

私はもう、彼らの傍にはいられない。

今、それを止められるのかな。

「ん……？」

“それ”って一体何だろう。

“止める”って一体何を？

というか、そもそも私は

何をこんなにモヤモヤ考えてるんだろう。

これじゃあ、まるで─────

「エイちゃんのこと好きみたいじゃん……」

(んん？あれ？)

言葉にした途端、何故か心臓が騒ぎ始めた。

(やっぱり変だ、私)

落ち着かない心のままに私は枕に顔を埋めた。

*

翌日、講義が午後からの為、

昼ぐらいから大学に来た私は

同じタイミングで門を潜ったそらちぃに

呼び止められた。

「偶然だねー」

と笑うそらちぃと並び、

キャンパス内を歩いていく。

「俺たち、運命かもね」

恥ずかしげもなくさらりと言う彼。

「ちょっと会わない間に
何ていうか、チャラくなったね」

苦笑しつつそう言うと

「えー、そう？」

それは心外、とまた彼は笑った。

(……楽しそう)

私よりもよく笑うし、

感情を隠さず露わにしていて

やっぱり、親しみやすい。

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