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すっかり暗くなった道を一人歩く。
残って調べ物をしていたら遅くなってしまった。
もうすぐ家、というところで何気なく公園に目をやったら、ベンチに人影が見えた。
座っているのではなく倒れ込むような姿勢の影に、はじめは人だと気づかなかった。
どこぞの不審者かと思ったけれど、体調でも悪いのかもしれないと少し心配になってくる。
やらない善よりやる偽善だ、と公園内に足を踏み入れた。
「……大丈夫、ですか」
「……」
声をかけてみたけれど返事はない。
設置された外灯の明かりはここには届かないが、暗闇に目が慣れてくるとその人が女の人だと分かった。
「ん？」
ポケットからスマホを取り出してライトを点ける。
「！」
眩しくないように足元から照らしていくと、彼女には見覚えがあった。 見覚えがあり過ぎた。
「何やってんだよ……」
呆れと驚きからため息がこぼれる。
照らした先にいたのはAだった。
「おい、起きろー」
肩を揺すってみても小さく呻くだけ。
寝起きは良いはずなのに。
屈んでみると、原因が分かった。
「酒くっさ……」
酒に強い彼女がここまで酔うなんて、いったい何があったのだろう。 どうせそら絡みだとは思うけど。
「ねぇ。 風邪ひくって」
もう一度肩を揺すってみると漸く目を開けた。
「あぁ、エイジかぁ」
ふにゃりと笑った彼女は再び瞼を閉じて眠ろうとする。
すかさず「おい」とその身を起こしても、ぐったりと頭を垂れていて立ち上がる気配はない。
「起きろって。 何があったの」
近所迷惑にならない程度に声を張って問うてみる。
Aがうっすら目を開けた。
「眠い……」
問いかけには答えず、そう呟くA。
小さい子どもみたいだな、と呆れつつもベンチの前に彼女に背を向けて屈んだ。
動こうとしないAを強引に背負って立ち上がる。
こんな所で寝かせておくわけにはいかない。
仕方がないからうちに運ぶか、とその軽さにびっくりしつつも歩き出す。
「告白したんだぁ……」
力なく垂れた腕を見て、眠っているのだろうと思っていたので彼女の声に驚いた。
と、同時にその内容にも驚いた。
「……え？」
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2020年2月15日 8時
