#05 ページ5
.
よろしくね!!
って、たったそれだけなのに……。
(すごい時間掛かっちゃったな)
きっと明日香だったら、
もっと面白い返事が出来たんだろうな。
陸くんよろしくー^^
それでも陸くんは
直ぐにそんな返事をくれて
何だか、心が擽ったくなった。
スマホを抱き締めるようにして
自室のベッドに倒れ込む。
綻んでしまう頬も抑えず、
ただただ嬉しくて
私は足をばたつかせていた。
どうしよう。
私、こんなに浮かれてる。
男の子の友だちが出来たから……？
それとも何か、
もう戻れない一線を越えてしまったの……？
*
暗転したスマホ画面に
LINEのポップアップ通知が表示される。
私、こんなに
好きだなって思える人が出来たの初めて
ゆっくりと、彼女とのトーク画面を開いた。
「……」
心がざわつく。
強い風が、木々を揺らしているみたい。
喜びも幸せも、嘘みたいに沈んでいく……。
決めた!
“何を”なんて訊けない。訊きたくない。
私、陸くんに告白する
どうして。
今日、教室に入ってきたのが陸くんだったんだろう。
違う誰かだったら、
友だちにはなれなくても
こんな複雑な思い、
抱かなかったかもしれないのに。
どうしよう。
……何だか私、焦ってる？
もしも彼女が陸くんと付き合ったら、
素直にその事実を受け止められるかな。
“応援してる”
“頑張って”
もしも今日、陸くんと話さなかったら
きっとすぐにそう返事出来たのに。
そっか!
きっと上手くいくよ!
どうしよう。
告白なんて……。
どうしよう。
“どうしよう”？
「何を……？」
この焦りや、複雑な心境はたぶん、
すべての答え─────。
認めたくない、想い。
“それ”を知ったうえで
“それ”を悟ったうえでも
私、キミと“友だち”でいられるかな。
もう、揺らいでる。
(……もう、)
戻れないかもしれない。
.
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2017年7月1日 18時
