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私が二人と出会ったのは、今から半年前くらい。
私はその日、女友だち数人と私の家でご飯を食べていた。
夜も更け、酔いが回ってきた頃、輪の中の一人が言った。
『何か、近くに友だちがいるらしいんだけど、呼んでいい？』
彼女が私を見て尋ねたのは、きっと家主が私だったからだ。
私は深く考えることなく「いいよー」なんて答えていた。
それから30分くらい経って「あ」と彼女が声を上げる。
『ごめん、その友だちって男子なんだけど』
『え────』
そう言われた瞬間にインターホンが鳴った。
彼女が住所を送ってくれたのだと思う。
この段階で断れないし、と私は玄関に向かった。
『あ、はじめまして。
……Aちゃん？ごめんね、突然』
そこにいた人は、想像していたのとは全然違った。
人懐っこい笑顔で穏やかな雰囲気を持つ彼。
『あ……いえ！ どうぞ！』
反射的に笑い返し、ドアを全開にして扉を押さえる。
『こいつも、いい？』
そんな彼の後ろにいたのはさらさらの赤い髪が特徴的な人。
酔っているのか、ぐったりして見える。
『全然！ ……ていうか、大丈夫ですか？』
『平気平気。 酔ってるけど』
赤髪の人は彼の肩を借りるようにして歩いている。
ここに来る前に二人で飲んでいたのかもしれない。
私は二人が家に入ったことを確認すると、玄関のドアを閉めて鍵をかけた。
それから皆で集まっている部屋の扉を開ける。
明るい照明のもとでは彼の姿がよく見えた。
にこにこと笑顔を湛える彼の周りも、伝染するように柔らかい雰囲気が広がっていく。
「そら」と名乗った彼は、赤い髪の人を「エイジ」と紹介した。
エイジくんは部屋に入るなり、床に倒れ込んで眠ってしまった。
『こいつがこんなに酔うなんて珍しいんだけどね』
そらくんは苦笑を浮かべ、彼を一瞥する。
エイジくんは眠っているようなので、恐らく聞こえていない。
私たちはその後食べたり飲んだり駄弁ったりして、終電間際の時間に解散ということになった。
女子たちは電車の時間に焦っているようで、解散と決まったら早々に帰って行った。
しかしそらくんはのんびりしているし、エイジくんは相変わらず寝ている。
『時間、大丈夫ですか？』
『あぁ、うん。 俺たちの家この辺なの』
つまり、電車に乗る必要がないみたいだ。
なるほど、だからこんなに落ち着いているのか。
『ごめん、トイレ借りていい？』
『どうぞどうぞ！』
そらくんをトイレに案内して部屋に戻ると、エイジくんが起きていて、私を見つめていた。
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2019年9月28日 19時
