今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:29,785 hit
小｜中｜大
4-6 ページ48
.
私とポキくんは、階段下に設置されたソファーに並んで座っていた。
窓からは月明かりも射さない。
薄明るい照明の光しかない。
「犯人……近くにいるのかも」
不慮の事態に素早く対処するために。
「本当はぜんぶ、見られてるのかも」
「それなら俺たち、とっくに殺されてる」
ポキくんははっきりとした口調で言った。
「……そっか」
やはり連中は“抜け穴”には気づいていない。
そう思っても大丈夫そうだ。
「あそこが死角なのは間違いないよ」
私が思っていたのと同じことを彼は言った。
私は「うん」と頷く。
ポキくんが深く息を吸った。
私は彼の横顔を見つめる。
「あいつのせいだ……。
終わらせられたかもしんないのに」
「……」
その目には、怒りが宿っている。
私は黙って、それを受け止めた。
私の胸騒ぎは、嫌な予感は、当たっていたんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2019年8月15日 23時
