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最終話 ページ47
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私は投票場へと戻った。
転がっていた2人の死体は窓から捨てて、乱れていた椅子を綺麗な円形状に戻す。
そして、監視カメラの前に立った。
「聞きました。 ……入会金は1億円」
カメラの向こうにいる人たちに語りかける。
緊張はなかった。結果への不安もなかった。
運営側は私の提案を受け入れる筈だ。
なぜなら、その方が面白いから。
「賞金と合わせれば足りる筈です。
……賭け金は──────」
一秒の何十分の一かの時間、私は躊躇った。
それだけだった。
「妹を差し出します」
イケニエとして。
ふと、テレビが点いた。
今現在撮られているのであろう映像が、私の姿が、映し出されている。
「“そっち”に行かせてください」
私は監視カメラを見つめて続けた。
「“ここ”ではない……、“そっち”に行かせてください」
試されているような気がした。
「そこは、何処ですか」
“絶望”は、生まれ変わった。
醜く、姿を変えて。
─────“復讐心”として。
─Fin─
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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2018年3月10日 16時