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しっかり見ておかなくちゃ、と思った。 陸くんにばかり目を奪われている場合じゃない。 誰がどの陣営なのかを正確に見抜かないと、彼を生き残らせられなくなる。 それ以前に、自分が勝つことも出来なくなってしまう。
「くだらないかどうかは問題じゃねーよ」
彼の発言にそう噛み付いたのは、最初に経験の有無を尋ねた男子。
「俺はシルク、高3。 くだらないとは思うけど、もし犯人がマジだった時の為にゲームで負けない為の準備はしときたい。 無駄死にはしたくない」
「……賛成。 俺も高3、はじめって呼んで」
ンダホくんと対立していた男子ははじめくんというそうだ。
「ここまで大規模な誘拐をやっちゃう犯人なんだから本気かもしれない。 こういうのも」
彼は自身の首輪を指先で弾く。
「手が込んでるし。 ゲームで負けたら死ぬ前提で、ある程度覚悟して動いた方がいいと思う」
「負けたら死ぬし……勝ったら1億円だよね」
リクヲくんが確かめるように言った。 誰も答えなかったけれど、それは念頭に置いておくべきことだ。
「……俺はエイジ。2年」
自己紹介が再開され、顔馴染みのエイジによる短い挨拶が終わった。 私は前を向いたまま彼を視界から追い出す。
次は、私だ。 どうしても陸くんの視線を意識しちゃう。
「AA、高校2年生です」
言った後に私は隣に座るそらを指す。
「私はこの大木空くんと同じ高校。クラスも同じ」
出来るだけ自分の情報はオープンにしておいた方がいい。 少なくとも、周りからはそう思われるように行動するべきなのだ。
「あ……大木空です。 今、Aが言った通り」
そらが手抜きして自己紹介を済ませると、シルクくんが口を開いた。
「これで全員か……、合計12人」
続くように、はじめくんが言う。
「誰も犯人の顔は見てない─────」
それに対してそらが「どうだろ」と返す。 「全然覚えてない」と。
誰も反論しないので恐らく全員同じ意見なのだろう。 私もそうだ。 1回目のゲームで誘拐されたとき、学校から帰る途中の所でぷっつり記憶が途切れている。
「どっちにしろ、無茶苦茶やる連中だってのは間違いないね」
「まあ……そこは反論しないけど」
はじめくんの一言にンダホくんが渋々といった態度で頷く。
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小桜ふわ(プロフ) - 白猫とみせかけてアルビノの黒猫さん» 叫んじゃってください!笑笑 そういったリアクションを頂けるとめっちゃ嬉しいです!d('∀'*) 本当ですか!やったー.*・゚(*º∀º*).゚・*. 今後ともご覧頂けると嬉しいです! ありがとうございます! (2019年5月1日 9時) (レス) id: 43213200ba (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 一目惚れ相手が陸君で、キッッッッッッッッターーーー!!って叫びそうになりました。笑笑そろそろふわさんのファンになりそうです、 (2019年5月1日 5時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
小桜ふわ(プロフ) - (名前)空々さん» ありがとうございますです!! 推薦は本当にただの紛れなんじゃないかと思うんですけど良かったです…!!(*>▽<*) (名前)空々さんも受験生なのですか?もしそうでしたら私が言うのも何ですが、合格まで一緒に頑張りましょうー!! 応援感謝します!!頑張ります!! (2017年12月19日 0時) (レス) id: e6883eaa7b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)空々(プロフ) - おめでとうございます!!推薦うらやまです。更新頑張ってください! (2017年12月18日 23時) (レス) id: aab0f67378 (このIDを非表示/違反報告)
小桜ふわ(プロフ) - まちゅさん» ありがとうございますすすすす!!!!恐縮です…! まちゅさんのご期待に添えられるようこれからも頑張ります!応援感謝します.*・゚(*º∀º*).゚・*. ありがとうございますー!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: e6883eaa7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2017年11月25日 12時