【YouTuber】人狼ゲーム 4

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二人で慌てて駆けつけると、最初、皆が目覚めた部屋の扉が開いていた。 その向こうでふくよかな男子が尻餅をついていて、そちらへ高身長な男子が手を伸ばしていた。

「どうしたの」

そらが尋ねると、ふくよかな男子は目の前の手を無視して不機嫌そうな表情で立ち上がった。

「いきなりそいつに押されたんだ」

「おまえが無理に部屋から出ようとするから！」

そいつ、つまり喧嘩になっていた相手はそう主張した。

「引き止めようとしたのはそっちだろ！」

再び口論になりそうな気配を察したのか、そらが「よく分かんないんだけど！」と割って入った。 実際よく分からない。 何の話だろう。

「いや、あのね……“まず預言者確認しよう”って話になったんだけど────」

「“話になった”なんて言うなよ」

近くにいた別の人が説明してくれたけれど、ふくよかな男子が苛立たしげに遮った。

「それはおまえらのうちの何人かの主張だろ！ だから俺はそれに対して、はっきりノーを示したんだよ！」

「その態度って怪しく見えるよ？」

その言葉に、相手の男子がからかうような口調で詰め寄る。 ふくよかな男子は「だから」と反論する。

「こんなゲームに関わる必要なんてないって言ってんの！ さっきも言ったけど今は状況を確かめるべきなんだよ。 ここがどんな場所なのか、本当に助けを求める事は出来ないのか！」

それに対して「いや」と否定したのは、最初に経験者はいるかと尋ねた男子だった。

「ゲームがマジだったときの事を考えると、各自が好きに歩き回れる、っていう状況は歓迎できない……。 それだと事前に人狼同士が打ち合わせ出来てしまう」

彼は人狼ゲームをやったことがあるんだ。 そう直感した。 私と同じように命懸けのゲームか、普通のゲームかは分からないけど。 とにかく経験者なのは間違いない。

「俺とAは？」

そらが焦ったようにその男子に尋ねた。

「俺とこいつ、普通に喋っちゃったけど」

陣営が違うから大丈夫だよ、と言ってしまいそうになって慌てて飲み込んだ。

「トイレでしょ？」

答えたのは先ほど喧嘩を繰り広げていた男子。

(あぁ……。 トイレ、って言って離れてきたんだっけ)

「一応、考慮には入れさせて貰う」

「最初から言ってよ」

もう一人の言葉に、そらが不満げに反論した。

「だから……何でゲームをやる前提になってんだよ」



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