【YouTuber】人狼ゲーム 4

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「それは……。 本物と、人狼と────狐？」

ツリメくんがシルクくんに訊く。彼は小さく頷いた。

「そこへ、間違えて二人目の人狼が手を挙げたか」

(この中に人狼が2人いる……？)

預言者を名乗った私以外の3人を見てそんなふうに考えた。

「だったら順番に吊っちゃうとか？ それで一気に人狼も狐も減らせるよ」

リクヲくんの意見に背筋がゾッとした。

そんなことされたら、終わる。

確かに預言者を名乗る人たちが、本物、狐、人狼、人狼ならば有効な手段だと言えよう。 本物の預言者を失う代わりに厄介な狐と人狼2人を殺せる。 あくまで村人側にとってという話だが。

だけど全員を順に吊ったその後は、勘と運に任せるしかなくなるのだ。

預言者を失えば村人側が人狼を特定する手段が消える。 そうなれば村人側の勝つ確率は一気に下がる。

「馬鹿。 本物の預言者殺しちゃったらどうすんの」

はじめくんが言う。

「狐を殺すにも預言者は必要でしょ。 てか、俺が本物だし！」

完全に本気だ。 本物であれ、偽物であれ、彼はもうゲームに真剣だ。 うかうかしていると、殺される。

「でも4人の中に狐がいるって言った」

リクヲくんがそう反論すると、はじめくんは小さく舌打ちをした。 ……彼は、敵を作りやすいタイプなのかもしれない。

話し方は穏やかだけれど、どことなく斜に構えている。

「誰も撤回しない？」

シルクくんが私を含め、預言者を名乗った人たちを順に見る。

「撤回って？」

マホトくんが彼に聞き返した。

「本当は預言者じゃない、今のは嘘だ、って言い出す奴はいないかってこと」

「それってあからさまに怪しくない？ いかにも人狼って感じ」

理沙さんが笑いながら言った。 そう言われると、撤回したくても出来なくなる。

「誰も撤回しない、でいいの？」

シルクくんは改めてそう尋ねた。

「しないよ」

はじめくんが真っ先に答える。

「したい。 けど、出来ない。 だって俺、本物だから」

マホトくんは前のめりになって主張する。

「俺は撤回しないよ」

ツリメくんは相変わらずの調子で告げた。

私は“他の3人がなぜ嘘をつくのか分からない”、“この空間が怖くて仕方がない”という態度を装って、無言で首を振った。



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