【YouTuber】人狼ゲーム 4

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【ゲームの進行を妨げてはいけません。
規制線から外へ出てはいけません。
建物の備品を壊してはいけません。
他人に危害を加えてはいけません】

画面は淡々と説明を始める。

【皆さんは村人ですが、
村人の中に人狼が3人紛れ込んでいます】

画面によると、構成は以下だ。

人狼側は、人狼が3人。

村人側は、預言者が1人、霊媒師が1人、用心棒が1人、村人が5人。

そして、その他────狐が1人。

「全部で12人」

読み上げた一人の男子が言って、私たちを振り返る。 何か説明を求めるような表情だったが、皆して黙っていた。

「一旦落ち着こう……！ 皆、落ち着いて！」

すると、ふくよかな男子が歩み出て、宥めるように皆を見回した。

「おまえが落ち着け」

それに対し、別の人が的確にツッコむ。

「これって、人狼ゲーム？」

“彼”がやや遠慮がちに、皆を見回しながら言う。 思った通り、優しそうな雰囲気が伝わってくるような声だった。 その瞳は不安そうに揺れていて、思わず胸が痛む。

「人狼？」

眼鏡をかけた男子が尋ねる。 それに対し、最初に画面を読み上げていた男子が頷いて説明した。

「昔からあるパーティーゲームみたいなもん。 知ってる奴は？」

その言葉に「一応」と手を挙げる“彼”。

続いて、そらともう一人、見知らぬ男子が。

尋ねた彼を含めると、少なくとも四人が経験者として名乗り出た。

だが、あくまで少なくとも、だ。 私のように沈黙を決め込んでいる人もいるだろう。 私はつい、赤い髪の男子、エイジに目をやる。 そら以外の唯一の知り合い。

彼は怯えたような表情を作り、沈黙を貫いていた。 私が知る限り、彼も経験者である。

「そんな事どうだっていいよ！」

先ほどのふくよかな男子が割って入る。 彼は余裕がなさそうだ。

「ここは何処で、おまえらは誰なんだよ？ 俺は、誘拐されたの……？」

「……誘拐、された」

金髪の男子が同調する。 金髪ではあったが、たれ目がちでとても優しそうな雰囲気の人だった。

彼は歩み出たときに首に違和感を感じたのか、自身の首元に手をやった。 そこには鉄製の細い首輪が巻かれている。 一部分にモーターと歯車入りの小さな機械がついていて、とても頑丈だ。

「これは……？」

彼は首輪を両手で摘み、困惑したように私たちを見回す。 この場にいる誰もの首に同じ代物があった。



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