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#04 ページ4

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“エイジと私がお似合い”

そらはそう思っているらしい。

……要するに、私は恋愛対象外。



仕方のないことだとは思う。

だって、そらは私の気持ちを知らない。

それでいいと私が決めたんだから。

こうして楽しそうに笑う彼の顔を見れば

私が傷ついていることくらい、

何てことはないと思えてしまう。



空気が壊れてしまうのが怖くなって

慌てて笑いながら否定しようとしたけれど

上げた視線の先で、

寝ていた筈のエイジと目が合った。

彼は眉を顰めて、じっと私を見つめている。

察するに、気を利かせて寝た振りをしていたのだろう。

そういう優しさや、今みたいな気遣いに

何度救われてきたことか…。



エイジの真っ直ぐな眼差しに、

無理矢理にでも笑うことが出来なくなって

黙り込んだ私を訝しく思ったのか、

そらが「おーい?」と

顔の前で手を振ってくる。

それから私の視線を追って

その先に頬杖をつくエイジを見つけると、

「うわ!エイちゃん、いつの間に起きてたの」

と彼はまた一人、楽しげに笑った。



「……デリカシー無さ過ぎ」

エイジはそらを一瞥して言い放つ。

そらは「え?」と苦笑しながら首を傾げた。

エイジは不機嫌そうに後頭部を掻いて

「何で気付かねぇの。
Aは、お前のこと─────」

「エイジ……っ」

彼の言わんとすることを察した私は

エイジを慌てて制する。

すると彼はもどかしそうにため息をつき、

立ち上がってどこかへ行ってしまった。

「……エイちゃん?」

そらはまた、不思議そうに首を傾げる。

私は何も言えず、曖昧に笑った。



*



「ごめん、勝手なこと言って」

授業が始まってから数分後、

小さく囁くような声でエイジが言った。

「ううん。……逆にありがとう」

必死に抑え込んでいる感情を

彼だけが認めてくれたような気がして、

苦しい気持ちがほどけていくみたいだった。



各々、板書をノートに取りながら

顔を見ずに話し続ける。

「……やめちゃえば?」

「え?」

「叶わない恋とか、辛いだけじゃん」

シャーペンを動かす手が思わず止まる。

「……やめようと思って、
やめられるものじゃないでしょ」

発した声がひどく弱々しくて

自分でも驚いてしまった。



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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2017年11月25日 1時

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