【YouTuber】人狼ゲーム 1 (ページ24)

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二人についていくと

辿り着いた先は厨房だった。

ステンレス製のテーブルを三人で囲む。

────────

×ポッキー (村人確定)
×さぁや
×はじめ
カンタ
エイジ
A
そら
トミー
マホト
理沙

────────

カンタさんのノートにはそう書いてあった。

それと、さぁやとはじめの名前の所に

『二人ともが人狼であることはない。
どちらかが人狼だった確率』

として、確率の計算と35分の14とある。

「まず俺が思ったのは……
ポッキーさんは人狼じゃない。
昨日の夜、人狼に殺されたから」

と、カンタさんが鉛筆の尻の方で

ポッキーくんの名前が書かれた部分を指した。

「それにまだゲームが続いてるってことは
彩矢佳さんとはじめさんが
二人とも人狼だったってこともない」

と、彼は続ける。

「二人のうちどっちかが人狼だった可能性は
35分の14で……40%の確率。
だから人狼が勝つには最短でも
今日を入れてあと3日かかる」

私とエイジくんは黙って

彼の話に耳を傾けていた。

「でも、村人が勝つには
上手く行けば今日で終わる。
……どういうことか分かる？」

カンタさんが私に尋ねる。

私はわずかに首を傾げた。

正直、頭が働かなくて話に理解が追いつかない。

というよりも、

聞いていて何だか馬鹿馬鹿しくなってくる。

ゲームに関して真剣に考えることをしたら

負けのような気がしてしまって嫌悪感が湧く。

「仮にはじめさんが人狼だったとすれば
今日の投票で上手く行けば二人の人狼が死ぬから」

「……」

何も無い宙を見つめていたら

カンタさんに「Aさん」と名を呼ばれた。

「ゲームに参加したくないっていう気持ちは分かる。
……でももし、
人狼を探る手がかりがあったら教えて」

諭すような口調で彼は言った。

「殺人犯になってでも、俺はここを生きて出たい」

────強いな、と思った。

そのくらいの覚悟がないと本来生き残れない。

私なんか、現状を嘆くばかりで何も出来ていない。

死にたくないけれど、殺すこともしたくない。

だけどやっぱり、生きていたい……。

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