【YouTuber】人狼ゲーム 1 (ページ3)

今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:87,383 hit

1-3 ページ3

.

「あ……スマホ」

さぁやがポケットを漁り

スマホを取り出したのに倣って

私も自分のスマホを取り出すと電源をつけた。

「圏外だ……。電波ないよ」

「私もない」

察するにここは、

山奥に建てられた場所なのかもしれない。

「何、これ────」

混乱が最高潮に達したとき、

ギィ、と重い音がして光が射し込んできた。

見ると誰かが扉を開けていた。

その先は広い部屋になっていた。

そこに入っていく皆に、

さぁやとともについていく。

私たちは暗い廊下に倒れていたようだった。

「Aちゃん……」

不安そうな面持ちの彼女が、私の腕を取った。

部屋の中の全貌が見えても

ここがどこなのか私には分からなかった。

中央に椅子が円形に10脚並べられており

その輪の傍にはラックに載ったブラウン管テレビ。

壁にはアナログ時計。

皆がそれぞれ探るような顔つきで室内を歩き回る。

テレビの載ったラックの下段には

DVDとプレイヤーが置いてあった。

それに手を伸ばした誰かを、

「下手に触らない方が……」

と、誰かが制する。

そう口出ししたその人物には見覚えがあった。

(確か、Twitterで……。カンタさん、だっけ)

Twitterのアイコンの写真と同じ顔だ。

「別に大丈夫だよ」

彼の言葉を跳ね除け、

伸ばしかけた手がそのままDVDを掴んだ。

彼はプレイヤーにセットして再生ボタンを押す。

「あんまり歩き回らない方がいいと思う……」

カンタさんは更に

周囲の人にも注意を呼びかけていた。

テレビが青白く光った。

【注:まだ部屋から出ないでください】

「まだ部屋から出ないでください、だって」

それを目にしたカンタさんが言う。

外へと続く扉の近くに立っていた私たちは振り向き、

テレビの方へ少し歩み寄った。

【皆さんは村人ですが
村人の中に人狼が二人紛れ込んでいます。

毎晩夜8時になったら
この部屋に集まって下さい。
皆で話し合って、人狼と思われる人を一人、
投票で決めて下さい。

夜9時までにその人を殺して下さい】

.