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「私、餌じゃありません!皆さんのご飯にはなれません!あと噛んじゃってごめんなさい!!」
そう叫んだ彼女は靴を脱ぎ捨てて木を登り始めた。
女の子らしいお淑やかな子だと思っていたから、あまりの大胆な行動にただただ唖然とするばかりだった。
油断した、完全に逃げられた。
「⋯涼介、大丈夫?」
「いや、これくらい平気だけど⋯。まさか吸血鬼の俺が噛まれるだなんて思ってなかった。」
そう言って笑う彼の目は絶対逃がさないと言わんばかりの目だった。
不意に手に付いてたのであろうAちゃんの血をぺろりと舐めた。
「う⋯っ」
「あ、ずるい!」
「はぁ⋯、⋯これ、やばいね⋯」
「やばいって⋯」
「ゆうてぃすごいね、こんな子引き当ててたんだ。⋯どうしても欲しくなる、誰にも渡したくない、そんな味がする。」
涼介はにやりと俺に語った。
まるで強い酒でも煽ったかのような衝撃だったらしい。
だったら尚更気になるな。
あの子の味。
捕まえたら、好きにしていいんだもんね?
だったら追うだけでしょ。
「俺らから逃げられるだなんて、甘いよね⋯」
「⋯」
「⋯?」
「今めっちゃ怖い顔してた。」
「そういうお前も噛まれたあと結構やばめの顔してたぞ。」
「まじ!?」
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作者名:ねむり | 作成日時:2020年1月27日 2時